天落神六社権現
(あまのおちがみろくしゃごんげん)


大和国城上郡
奈良県桜井市大字和田字落神萱森口
(P無し、広めの邪魔にならないスペースに路駐か)

■祭神
味鉏高彦根命
(他5柱は不明)


「與喜山」の北側、「初瀬ダム」のある「まほろば湖」の畔にある神社。「初瀬ダム」建設(昭和63年に完成)にあたり、湖底に沈んだ巨大磐座に祀られていた神をここで祀り直したということのようです。
◎祀られていた神は味鉏高彦根神 鴨(賀茂、迦毛)大神。これは「長谷寺密奏記」という書に記される「賀茂明神河ノ大石ニ坐シ御ス」に対応するもの。
その巨岩は高さ4.8m幅7.6mもあり、岩上に小祠があったようです。現在は境内に新たに探し出してきた巨岩を安置し、元々記されていた宝塔の刻印を模写したとか。鴨族の後裔である役小角を始祖とする修験者たちが祀っていたものと思われます。
◎そして山の三社、川の三社(うち1社は味鉏高彦根神を祀る社)を合わせたようです。他の5社については資料が見当たらず不明。
◎「落神」というのは、「長谷寺縁起」にある「昔、雷神が瀧蔵権現神社(瀧蔵神社)に祀られていた毘沙門天御所持の宝塔を取り、天に昇ろうとして落ちた所」(社頭案内板による)からのもの。地名起源にもなっているとか。
◎どうも仏教という輩は神に対して好き勝手な解釈を好むようですが、鴨大神というのは雷神と同一視されることが多く(本来は雷さえも別ける力を持つほどの神の意)、ここで言う雷神は鴨大神ということなのでしょうか。




2体の磐は河中に鎮座していた残りの2社のものでしょうか。


こちらが「落神」の磐座(新たに探し出してきたもの)。