椎ヶ脇神社

駿河国長下郡
静岡県浜松市天竜区二俣町鹿島1-14
(P有)

■延喜式神名帳
猪家神社の論社

■旧社格
郷社

■祭神
闇淤加美神
豊玉姫命
[合祀] 天照皇大神、豊受大神(神明神社) 菊理姫神(白山神社) 彌都波能賣神(水神神社) 利仁将軍 権現 田村神社

天竜川が大きくうねり曲がり、その川岸に切り立った小山があります。その頂に鎮座しています。
延暦20年(801年)桓武天皇の勅命を受け、蝦夷征伐のため坂上田村麻呂が陸奥に向かう途上に当地へ。そのとき天竜川の大洪水で大海のようになっていたらしく、対岸へ渡れなくなったそうです。そこで地元民たちは将軍のために筏(いかだ)を造り、対岸へ渡したそうです。そして喜んだ将軍はこの地に減水を祈り、闇淤加美神を祀ったのを創祀としています。
社名の謂われは、古来より「猪家(ししが)神社」と呼ばれていたのが転化により「椎ヶ脇(しいがわき)神社」となったとか。また別に、当社の北側に天竜川の深淵があり、その断崖絶壁の上に椎の木が生えていたので椎ヶ淵と呼ばれ、その脇に鎮座しているから「椎ヶ脇」となったというものも。
境内には磐座らしきものがいくつもあり、長い歴史の間に幾度も氾濫洪水をお越したものと思われます。その度に磐座を据えたのでしょうか。
また当社は古来より船の安全航行の守り神であり、大氏神として氾濫を抑えるため流域の各地に分霊が祀られています。さらに当社には龍神伝承もあります。


ご本殿は海抜40~50mほどでしょうか、大洪水の際にも当地だけ難を逃れたはずです。


ほとんどが岩盤でできたような山。磐境(磐座か)がゴロゴロ。