二見神社
(ふたみじんじゃ)


大和国宇智郡
奈良県五條市二見2-6-46
(P有)

■延喜式神名帳
二見神社の比定社

■旧社格
村社

■祭神
富須洗利命(ホスセリノミコト)



「吉野川」に「丹生川」が合流する近くに鎮座する社。地名の五條市「二見」は「二水」からの転訛とも言われます。
◎創建年代は不明。神名帳では一座であるため、富須洗利命と水波能売命のどちらかが本来のご祭神であるかと。地形的なものからたびたび水害が起こり、水神を祀ったのではないかと思われます。石灯籠や手水舎などにあるように、かつては「雨師社(雨主社)」とも呼ばれており、水波能売命が祀られるのは自然な成り行きかと。
ただ創祀時のご祭神は富須洗利命で、水害が起こってから水波能売命が合祀されるようになったのではないかと考えています。
◎富須洗利命は隼人の始祖。「大隅隼人」と「阿多隼人」の二系統あるうちの「阿多隼人」が当地周辺に住んでいたようです。「吉野川」の5km余り上流に、富須洗利命の母神であるコノハナサクヤ姫を祀る阿陀比売神社が鎮座。火須勢理命(富須洗利命)も配祀神として祀られます。
◎その富須洗利命の後裔が二見首と言われています。「新撰姓氏録」には「大和国 神別 天孫 二見首 富須洗利命之後也」と記される氏族。一族の氏神が当社であったと推されます。
◎境内は100坪程度の小さな社ですが、往古は式内社に相当する規模だったかと思われます。境内すぐ近くには「あめっさん」と称される湧き水があります。江戸時代には二見城が築かれ城下町となった「新町通り」には、当社と御霊神社(二見)御旅所が鎮座します。


*写真は2017年冬頃と2022年4月撮影のものとが混在しています。






「雨師社」と刻まれています。

こちらは「雨主社」。


石段を下った向かいにあります。