弓削神社 (若江郡)


河内国若江郡
大阪府八尾市東弓削1-166
(P無、近隣に停め置ける場所も無し)

■延喜式神名帳
式内大社 弓削神社の論社

■旧社格
村社

■祭神
饒速日命、宇麻志摩治命、天照大神
彌加布都命、比古佐自彦命、高魂命、天日鷲翔矢命、菅原道真


八尾市の住宅等が密集した地に鎮座、駅を挟んで同名他社 弓削神社(志紀郡)があります。古代は大和川を挟んでいたようです。ともに式内大社の論社とされています。
◎ご祭神については同名他社 弓削神社(志紀郡)と同じく饒速日命、宇麻志摩治命、天照大神の三柱に加えて、物部氏系二柱(ミカフツ神、ヒコサジヒコ神)と弓削氏系二柱(高魂神、天日鷲翔矢神)。道真公以外は突飛な神名も無く、こちらの方がより丁寧に祭神名を出した程度のものでしょうか。社頭掲示板にはミカフツ神と天日鷲翔矢神の二柱のみ。
◎彌加布都命と比古佐自彦命はいずれも経津主神の別名であり、つまり物部氏系。弓削氏とは当地を拠点にして弓矢など武器製作に携わった氏族。「新撰姓氏録」には「河内国神別(天神) 弓削宿禰 天高御魂乃命孫天毘和志可気流夜命之後也」とみえます(天毘和志可気流夜命とは天日鷲翔矢命のこと)。また「左京神別 弓削宿禰 石川同祖 神饒速日命之後也」ともあり、物部氏と弓削氏の関係が窺えます。一般に天日鷲翔矢命は阿波忌部氏の祖とされていますが、謎多き氏族であり諸説混沌。なお弓削氏からは後に弓削道鏡が輩出されています。
◎二社に別れたゆえんは不明ながら、近隣他社に多くみられるように大和川の氾濫を理由とするものが有力。土砂堆積により洪水はたびたび起こったようで、天井川となっていたとか(江戸に付け替え工事が完了し、現在は南方を流れている)。当社が洪水で流されてしまい、西へ遷座されたのではないかと。
◎式内大社にもかかわらず、面影はまったく無し。往古は恩智神社、枚岡神社(記事未作成)と肩を並べる大社だったそうです。


最近改修工事がなされたようです。