(大和国 天太玉命神社)



忌部氏(斎部氏)はその名の通り「忌む(斎戒する)」氏族、つまり古代の祭祀集団でした。
日本の各地に部民としての忌部があり、広義にはそれらを含めることもあります。


■出自
天太玉命が祖神とされています。
「古語拾遺」や「新撰姓氏録」では高皇産霊神の御子としていますが、記紀には記述がありません。
本貫地は奈良県橿原市忌部町辺りとされ、天太玉命神社(式内名神大社)があります。


■系譜



■古語拾遺
斎部広成による書(807年が有力)。
記紀においては古代の2大祭祀族である中臣氏と忌部氏のうち、力関係は中臣氏の方が上となるように書かれています。ところが実際に祭祀の主役を担っていたのは忌部氏の方であると、この書には書かれているのです。
政治的に力を蓄えた中臣氏にどんどんと押されて立場を失っていくなかで、忌部氏の正統性を主張するために制作された書であるとも言われています。
記紀とは異なる記述も多く、案外こちらの方が正しいのではと個人的には思っています。


(阿波忌部氏が奉斎した大麻比古神社)


(紀伊忌部氏が奉斎した鳴神社)