チェレンコフ光ライブ中継(動画あり):原子力科学研究所(茨城)(2) | ZEL's:写真とジオラマとプラネタリウム

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趣味は写真、プラネタリウム巡り、科学施設巡り、ジオラマ初心者、フィギュアスケート観戦、かつてはゲーム音楽の作曲も。
2021/8月にこのブログを開設。

原子力研究所 2024施設公開のつづき。

 

事前申し込みで当選すると見学できるコースがありました。

 

・原子炉安全性研究炉 NSRR

・研究用原子炉 JRR-3

ほか

 

私も申し込みましたが、残念ながら落選。

しかし、NSRRで実施されたパルス運転=「チェレンコフ光」が別の会場でライブ中継されたので見てきました。

 

 

 

 

原子炉安全性研究炉 NSRRは、原子炉が暴走する(出力が急激に上がる=反応度事故)を安全に模擬できる特殊な原子炉。

 

 

制御棒を一気に引き抜くことで、出力を急上昇させる仕組みです。

「そんなことをしたら危ないのでは?」

 

出力が急上昇

→燃料温度が上がる

→燃料中の水素のエネルギーが上がる

→中性子を減速させにくくなる

→核分裂反応が減少

→自然に原子炉の出力が低下する

 

このような仕組みで、安全に出力が低下するようです。

 

この会場で、研究用原子炉 JRR-3の建設当時の写真展示もありました。

 

 

 

JRR-1、JRR-2までは海外製の原子炉でしたが、このJRR-3は初の国産原子炉。

原子炉は日立製。

 

 

時代を感じる写真です。

 

 

 

 

原子力船「むつ」の模型と、原子炉の模型もありました。

こういうレトロな模型やジオラマが好きです。

 

 

 

原子力科学研究所のジオラマ。

 

 

「安全管理棟 地下免震構造」の見学もありました。

原子力と直接関係なさそうに見えますが、そんなことはなく、地震のときでも指揮命令系統を維持できる安全な建物でないと困りますね。

 

 

説明を受けたのち、ヘルメットを着用して地下に下りていきます。

 

 

 

免震のビルは最近多くなってきていると思いますが、実際に地下の構造を見ることは普通できないので、なかなか貴重な体験です。

 

免震は、3点セットの構造だそうです。

 

(1)積層ゴム:地震の揺れをゆるやかにする

 

 

(2)すべり支承:地震の揺れをゆるやかにする

 

 

(3)鉛ダンパー:揺れ続けるのを止める

 


 

こんな硬そうな金属の塊が、揺れによって変形するというのは不思議ですね。

※ちなみにU字型に曲がっていますがもともとこういう形です。地震で曲がったわけではありません。

 

(つづく)

 

<訪問日:2024年10月>