日本初の原子炉 JRR-1:原子力科学研究所(茨城)(1) | ZEL's:写真とジオラマとプラネタリウム

ZEL's:写真とジオラマとプラネタリウム

趣味は写真、プラネタリウム巡り、科学施設巡り、ジオラマ初心者、フィギュアスケート観戦、かつてはゲーム音楽の作曲も。
2021/8月にこのブログを開設。

日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所(茨城県那珂郡東海村)。

施設公開2024に参加しました。

 

 

いくつか見たいものがありましたが、そのうちの一つ。

日本初の原子炉 JRR-1です。

(Japan Research Reactor No.1)

 

 

 

 

もちろん今は稼働していませんが、展示施設となっています。

かつて原子炉だった実物に入れるのは貴重な体験です。

 

 

 

この真ん中のところがまさに原子炉そのもの。

それを間近に見ることができるわけですから、凄いです。

 

JRR-1の歴史を紹介するコーナーがドーンとあり、貴重なビデオも見られます。

 

 

 

JRR-1 が初臨界を達成した 1957年8月27日のチャート。

 

 

当時の雑誌でも紹介されたようです。

 

 

原子炉の制御棒駆動装置。

今の原発の制御棒駆動装置はこんなものではないと思いますが、これはシンプルですね。

 

 

各種実験用の実験孔。

 

 

JRR-1 はアメリカ製です。

いろいろな銘板を見ることができます。

 

 

ウェスティングハウス・エレクトリック社の脱イオン式ラインスターター。

原子炉で使用される電動機を起動・制御するための電磁スイッチのようです。

 

 

ChatGPTによれば、Sperti Faraday Inc.(ファラデー社)は、米国ミシガン州エイドリアン(Adrian, Michigan)にあった企業。電気ベルや警報装置を製造していたメーカー。これは警報ベル、だそうです。

 

 

Atomics International(アトミクス・インターナショナル) 製の シールドドア(Shield Door Assembly)。

ChatGPTによれば、「約 18,144 kg(18トン) → 非常に重い遮蔽ドアであることが分かる。鉛や高密度コンクリート を使用した放射線防護用の厚いドアの可能性がある。」とのこと。この写真だけでそこまでわかるのが凄い。

 

 

こちらは壁にあった装置。

原子炉の稼働状況を表示するものでしょうか。

 

 

こちらは天井クレーンの銘板。

 

 

この写真をChatGPTに見せたところ、下記の回答でした。

 

「この画像に写っているのは、日本重建株式会社(現・日本重機工業) 製の 天井クレーン です。

🔍 画像のポイント:

  1. メーカー:

    • 「日本重建株式会社」(にほんじゅうけん)と書かれています。
    • 日本重建は、日本の重機・建設機械メーカーで、クレーンや橋梁などの鋼構造物を製造していました。
    • 昭和31年(1956年)製造 と記載 → 日本初の研究用原子炉「JRR-1」の建設時期と一致 する。
  2. 設備:

    • 「5t」5トンの吊り上げ能力 を持つ天井クレーン。
    • 「日本重建株式会社」 → クレーンのメーカー名。
    • 「昭和31年製」 → 1956年に製造されたことを示す。
    • クレーンのモーター(巻き上げ機) も写っている。
  3. 用途(推測):

    • 原子炉施設内の重量物搬送 に使用されていた可能性が高い。
    • 燃料交換原子炉構成部品(遮蔽扉、冷却装置など)の移動 に利用。
    • JRR-1(日本初の研究用原子炉)の施設内 に設置されていたクレーンの可能性がある。」
凄まじいですね。この写真だけでそこまでわかるとは。
 
JRR-1には、下記のようなパネル展示もありました。
JRR-2からJRR-4の研究用原子炉が建設され、その歴史を紹介。
 
 
JRR-2の銘板。
AMF・アトミックス社が製造ですが、三菱原子力工業が下請け。
その他多くの三菱グループ企業が関わっていたようです。
 
 
こちらはJRR-3の定礎。
JRR-2まではアメリカ製でしたが、JRR-3は初の国産。
これについては次回。
 
 
タイガー計算機(手回し計算機)。
まだ電卓などがなく、こういうものが当時使われていたのですね。
 
 
JRR-2, 3, 4で使用された燃料棒のようです。
 
 
JRRシリーズは研究用の原子炉でしたが、ここには発電の試験を行った動力試験炉「JPDR」もありました。その展示。
JPDR は役目を終えたあと廃炉になり、施設も更地になっています。
 
 
JPDRは、原子炉本体をGE(ゼネラル・エレクトリック)が、格納容器をIHI(石川島播磨重工)が設計・製造していたようです。
 
 
1963年10月26日に初発電。この日が「原子力の日」となったそうです。
 
 
当時の新聞、銘板など。
 
 
NSRR(原子炉安全性研究炉)などのパネル展示もありました。
こちらについてはまた次回。
 
 
遠隔操作用のアーム。実際に子供が遊べるようになっているのがいいですね。
 
 
地下に下りる秘密の階段。
地下には何があったのでしょうか。
 
 
JRR-1は、実際に使われていた原子炉建屋そのものに入れる、実感できるというところが非常に貴重だと思います。
パネル展示も多く、内容の濃い施設でした。
(つづく)
 
<訪問日:2024年10月>