以前、福島第一原発を見ようとして滝川ダムまで行きました。
そして「機会があればツアーに参加したい」と思ってきました。しかし福島県民など現地住民以外にはツアーが開催されていないのが現状です。
意外にも、その機会がすぐにやってきました。
私が勤めている会社で視察ツアーの募集があったのです。もちろんすぐに応募し、幸運にも参加することができました。
<福島第一原子力発電所視察の流れ>
当日はJR富岡駅に集合。ここからバスで廃炉資料館へ。
東京電力 廃炉資料館(福島県双葉郡富岡町)。
ここでまず資料館を見学。そして会議室のようなところで本人確認や事前説明を受けました。
ここからバスでいよいよ福島第一原子力発電所へ。
廃炉資料館は富岡町。原発は大熊町・双葉町にあるのでバスで30分ほどかかります。
さて、残念なことに写真撮影は禁止です。スマホを持ち込むこともできません。
以後、文章が中心になりますがご了承ください。
また、東京電力のホームページに動画がありますのでそちらも参考になると思います。
到着すると、入退域管理棟というところで、本人確認。上に着るベスト、一時立入許可証、個人線量計を貸与されます。ベストに許可証と線量計を入れるようになっています。
すべて厳重。空港のゲートのようになっていて、一人づつ入場します。
入場管理が終わると、またバスに乗って構内を移動します。
バス内に線量計の大きなモニターがあり、今の数値がわかります。
最初の数値は0.2μSv/h でした。
しかしバスが原子炉建屋に近づくと、一気に数値が30μSv/hまで上がります。
(GoogleEarthより引用)
最初の目的地は「ブルーデッキ」。
原子炉建屋1号機~4号機の目の前にあり、全体を見渡せる高台にあるデッキ。
いきなりこのツアーのクライマックスです。
(東京電力バーチャルツアーより引用)
予想していたよりも原子炉建屋に近くて驚きでした。
1号機の上部はぐにゃりと曲がった錆びた鉄骨が当時のまま。
大迫力の光景です。圧倒されます。
ブルーデッキの後ろ(原子炉建屋と反対側)に変電設備の建屋がありますが、この建屋の壁がむき出しになって中身が見えている状態でした。なんと、1号機の水素爆発時の爆風で吹き飛んでしまい、むき出しになったとのこと。水素爆発の威力の凄さを感じました。
今までニュースや、映画「Fukushima50」などでしか見られなかった原子炉建屋を肉眼で、こんなに近くで見られたことに感動。
しかもこの場所で防護服もマスクも必要なし、普段着です。
そこまで除染が進んでいることにも驚き。
(東京電力バーチャルツアーより引用)
1号機では、防護服を着た作業員の方がまさに作業しているところが見えました。
つい最近、NHKの100カメでも放送があり、御覧になった方も多いと思います。
(NHKホームページより引用)
東京電力の説明員の方に、あの作業員の方はどれくらいの時間作業するのかと尋ねたところ、「1日で約30分程度」とのこと。
それだけ現場は高線量であり、作業が時間との戦いであると認識させられます。
ブルーデッキには15分程度いたかと思いますが、説明を受けているうちに「ピュイッ!」という音が鳴り響きました。誰かの線量計が鳴った音です。緊張が走ります。
「そろそろ移動しましょう」ということになり、その移動中にもまた別の線量計が鳴りました。
実は事前に、「ブルーデッキで鳴るかもしれない」と言われていました(もし鳴ってもまだ危険な線量ではないレベルです)。
なので、鳴った時は「おー、本当に鳴った」と思いましたが、想像するのと現実では違います。
目に見えない危険が確かにそこにある。やはり現実に鳴ると冷静ではいられません。
(つづく)