前回その2でコードの話をしまして、そんなに難解なコードが多用されてる曲でなければすでに場面場面で、バックで鳴っていてほしい複数個の音をピックアップすることができたはずです☆
※音のピックアップの方法などはその2参照
あとはそのピックアップされた構成音を、順番は順不同でもよいので、コーラスに割り振っていくだけです!
あれ??
ここんとこ構成音が4つあるんだけど、うちのコーラス3人なんだけど?!
しかも一人は、リードと3度ハモりにいっちゃってるから、実質コード鳴らす担当のコーラスの人、2人しかいない!!
どーしよう!!
そんなこともあると思います。
一台で一度に複数の音が出せる楽器と違って、アカペラにおいては常にコードの構成音をすべて鳴らし続けるのはほぼ不可能です。
そうなってくると音を省いていく必要があるんですが、ここではそういった場合の音の取捨選択の優先順位について話していきたいと思います。
基本的には省いても支障のない構成音から省いていくんですが、これはあくまで『この音が鳴っていれば、よりそのコードっぽく聞こえやすいですよ』ってことなので、必ず守らなければいけないものではないです。
【優先順位】
重要
<ルート音>
基本的にはベースの人が歌っているので省かれることはほとんどないが、途中のブレイクなどアレンジの都合でベースが消えたときや、分数コード(コーラスが奏でるコードのルート音とベースが歌う音が違うコード。例えばEm/Dなど)の時などは、構成音に優先的に加える必要があります。
↓
<2番目の音>
明るいコードか悲しいコードか、コードの色を判別するのに必要な音。
この音がないと、例えばC (ド、ミ、ソ)とCm (ド、ミ♭、ソ)などの区別がつかなくなる。
ただこの音をあえて抜くことで、無機質なコード感を演出するテクニックもある。
↓
<4番目、5番目の音>
いわゆる装飾音。単純なコードではなく、あえて装飾を加えている…という作曲者の意図を正確に汲み取るのであれば必要です。たとえば、C (ド、ミ、ソ)とCM7 (ド、ミ、ソ、シ)などを区別できます。
装飾音を加えることで”悲しみの中にも希望”や”明るさの中にも危うさ”のような割り切れない情景を表せるのです。
↓
<3番目の音>
いわゆる和音の額縁。あれば響きが増すが、なくても成立しやすいです。基本的にはどんな和音にも含まれているものなので、これがないと区別できない…というコードが少ないのです。
ただ例外として、□(-5)や□dim、□augのような3番目の音が通常の位置にいないコードの場合は、装飾音より重要性が増します。
ここで挙げた優先順位はあくまで選択肢が広い時の目安です。
和音の区別より大事なのは
【コーラス(主にコーラスの一番上を歌うトップ)のメロディーラインがメロディアスな流れになっているか】
【コーラス同士の音の幅が離れすぎていないか(あんまり離れすぎるとハモって聞こえづらくなる。隣どうしのパートが1オクターブ以上離れるとヤバい)】
【音が飛びすぎていないか、実際に歌える音の移動か】
などなので、そちらとの兼ね合いで音を決定しましょう。
基本的には、次のコードの構成音の中で自分が歌っている音から一番近い音に移動するのがセオリーです。
例えばAm → F → G という流れであれば、上から
ド → ド → シ
ソ → ラ → ソ
ミ → ファ → レ
という流れがナチュラルです。
さぁ、これでコードを見ながらパートそれぞれに音を割り振ることができました!
次回は、実際にアカペラアレンジをしていく中で、コーラスがその割り振られた音を使って何をしていけばよいか、コーラスアプローチの具体例をいくつか挙げていこうと思います!
その4お楽しみに!
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