仕事帰りの電車に乗っていたら、缶ビールを持った顔の赤いおじさん二人組が駆け込んできた。

「なぁちょっと、この電車で大丈夫かい!?」

「いいんだよ、そんなの乗っってから考えるの!」

「乗ってからって、もし反対方向だったらどうすんのさ~」

「そんときゃあ次の駅で降りればいいじゃないの!」

というやり取りが聞こえてきた。

・・・・

しばらくしてから、

「ありゃりゃ、船橋こっちじゃないじゃん」

「こっちじゃないね、まちがえちゃったね!」

「ね、まちがえちゃったね!」

と言って、二人で顔を見合わせながら「ガハハハハハ!」と、大笑いしていた。

最近緊張気味だったので、この二人組の会話を聞いていたら、なんだか力が抜けてきた。

別に失敗したってそんなの大したことないし、どうにかなるよって言われたような気がした。

僕には、よく考えてから行動しようとか、しっかり準備してから始めようという思考が染みついている。

でも、これって「行動しません」、「準備しません」って言ってるようなもの。

自分でもよく分かっているけど、結局は行動しない言い訳を作ってるだけ。

脳は天才だから、現状の自分にとどまるために最高の理由を作り出す。

でも、それではいつまで経っても何も変わらない。

何かをやろう!と思ったら、つべこべ言わずに行動しちゃったほうがいい。

考えてから行動するんじゃなくて。

そろそそ本気で行動を変えないと、あっという間におじいちゃんになってしまう。

死ぬ間際になって、あれもやっておけばよかったなと後悔するより、失敗ばかりだったけど挑戦してよかったなと思いたい。

電車の中で疲れて黒ずんだ顔をしたサラリーマンたちとは対称的に、酔っぱらってほっぺが赤くなってるおじさんたちの笑顔がとっても素敵に見えた。