今度は浦和の絶品うなぎを食う (むさし乃) | UNTITLED

今度は浦和の絶品うなぎを食う (むさし乃)

先週は張り切って遠出して宇都宮で餃子を食ってきましたが、張り切りすぎてしまったので今週はどうしようかな・・・と。

 

先週に引き続き栃木の新鹿沼に行き、コチラもまた思い出せないくらい行けていないオーディオ喫茶「SOUND+CAFEなかじ」に行こうかとも思ったのですが、3連休の初日は天気が悪くて寒いし、場合によっちゃ雪が降る可能性もある・・・と言うことで、潔く近場で食べたいアイツを食いに行こう・・・・と、向かったのは浦和。

 

そう、3連休初日の金曜日、うなぎを食べに浦和に向かったのでありました。

 

 

 

で、鰻の蒲焼き発祥の地と言われている浦和には老舗の鰻屋さんがたくさんあります。

最も歴史のある「山崎屋」や、明治から営業をしているコチラも老舗の「満寿家」、昭和12年創業の「中村家」など、どこも美味しいのですが、今回目指すは「むさし乃」さんです。

 

最後に「むさし乃」に行ったのはいつだったかなぁ・・・

裁判員をやったときに行ったのが最後だったはずだから・・・2020年7月かな?

 

3年半ぶりにようやく行ける・・・

 

本当はあの後も何度か「むさし乃」にトライしたのですが、売り切れで食べることが出来ませんでした。

「むさし乃」はそういうお店なんですよ。

 

お店は11時オープンなので早めに家を出られれば・・・と思いつつ、なんだかんだお店に到着できたのは11時でした。

 

 

 

今日は連休初日とは言え、天気が悪く非常に寒いのでそんなに並んでは居ないのでは無いか・・・と、淡い期待を抱きつつ店の前に行ってみると・・・

 

 

お店には既に1巡目のお客さんで満席。

そして店の前には15名ほどが並んでいる状況でした。

 

マヂか・・・

やっぱり超人気店だ・・・

 

とはいえ、今日はまだ「売り切れ」ではありません。

並べば食えるのです。

 

そんなわけで店の前の通路に設置されたパイプ椅子に座って順番を待ちます。

 

 

 

ちなみに今日の鰻重は和匠鰻の新仔鰻重のみの提供だそうですが、むしろこれを食いに来たので願ったり叶ったりです。

 

 

寒風吹きすさぶ・・・と言うほどではありませんが、お店の外のマンション1回の通路なのでかなり寒い中、皆さんじっとガマンをして並んでいます。

更に、私の後にも続々とお客さんが並んでいきます。

 

そんな中、ブルブル震える訳でも無いのですが並んでいると、店員さんが並んでいるお客さんの人数確認に出てこられて、一人一人に「寒い中ありがとうございます」と使い捨てカイロを配ってくれました。

 

 

オイラはそこまで凍えていなかったので(他の人とは蓄えが違いますからね!)貰ったカイロをカバンにしまってしまいましたが、女性のお客さんを中心に結構カイロで暖をとっている方も多かったようです。

 

むさし乃はどんな常連でも予約は出来ず、食べたかったら必ず並ばないといけません。

常連どころか、修行に出ている息子でさえも、むさし乃で食事をしたいのであれば「客」なので並ばないと鰻を食えないのだそうです。

そこまで徹底しているのであれば、文句を言わず並ばないといけません。

 

そんな寒い中、40分ちょっと待ったところでようやく入店できる順番が回ってきました。

 

 

 

鰻の蒲焼きの香りに包まれながら店内に入るとうな子ちゃんがお出迎えしてくれました。

 

 

このうな子ちゃんの石像、浦和の鰻屋のどこに行っても見るんだけど、これ、配布されるものなのかな?買わされる(笑)ものなのかな?

 

兎にも角にも、冷えた体をお茶で温めながら何を注文するかメニューに目を通します。

 

新仔鰻重は注文するとして、後は何を追加で注文するか・・・

・・・よし、まずはうざくと骨揚げで鰻重が来る前の胃の準備を整えよう。

 

と、うざくと骨揚げ、新仔鰻重、肝吸いを注文。

 

が、しかし、うざくは残念ながら売り切れだったので骨揚げをコリコリかじりながら鰻重の到着を待つことに。

 

 

それにしても鰻って、骨まで美味いなんて反則ですよね。

骨の間に少し残った身からジュワッと染み出る脂の旨味も美味いこと・・・

 

さらに、鰻の前にこの骨揚げに山椒を少し振ってやると美味いんだ、また。

 

そんな骨揚げをコリコリサクサク無心に食べていると、ようやく待ちに待った新仔鰻重が運ばれてきました。

 

 

お重の蓋を取ると蒲焼きのかぐわしい香りが蒸気と共にフワッと目の前に広がる幸せ・・・

そして見てください。

このお重にギュッと敷き詰められた大きな新仔鰻。

美しい焼き目。

 

肝吸いを一啜りして箸の先と口の中を潤して、すかさず鰻をご飯と一緒に口の中に頬張ります。

 

・・・はぁぁぁ・・・やっぱり美味い。

 

なんでしょう、このふわトロを超越した口溶け・・・

箸でしっかり持ち上げられ、噛むと表層は僅かに香ばしく焼かれた鰻の身の食感を感じるのに、もう一噛みするとホロホロ~トロトロ~っと口の中で解けてトロけていきます。

そして鰻臭さのない上質な鰻の香りとタレの香ばしさが口の中に広がってしばらく口の中に残り続けます。

 

あぁ、鰻を食って良かった。

これが鰻重だ・・・と、感動と恍惚が去来します。

 

 

・・・大げさです。

 

でも、本当にこの感動的な新仔鰻重を食べるために「むさし乃」に並ぶんです。

 

この食感は、鰻の小骨の1本1本をピンセットで丁寧に抜くことで、口に含んだときに骨が口に当たらずにホロホロとトロける触感になるのですが、小骨も丁寧に抜かなければ焼いて蒸して更に焼き直すタイミングで身が崩れてしまうので、非常に丁寧な仕事が必要になります。

この丁寧な仕事が「むさし乃」の鰻の真骨頂であり、それが故に用意できる鰻の数にも限りがあるわけです。

 

分かっちゃいるけど、売り切れてありつけなかったときの悲しさったら無いですね。

 

 

そんな「むさし乃」の新仔鰻重を久しぶりに満喫し、幸せいっぱいにお店を後にします。

 

 

 

お店を出ると、お店の外には1組のお客さんしか並んでいなかったのですが、どうやらこの1組のお客さんで鰻は売り切れてしまったようです。

 

 

お店を出たのが12時10分過ぎだったので、オープンから1時間で売り切れたという状況です。

 

みなさん、「むさし乃」にお越しの際はくれぐれも時間にはお気をつけ下さいませ。

 

 

 

 

 

さて、「むさし乃」で鰻重を食べて幸せいっぱいではありますが、なにかデザートが欲しい・・・

 

ケーキ屋さん・・・という感じでも無いなぁ・・・と、小雨が降る中、浦和駅の東口から伊勢丹のある西口へ。

そして伊勢丹の中に何か良さそうな喫茶店は無いかとウロウロ。

 

 

事前情報無くウロウロしていましたが、なんだかハイソなサロンがあったので入ってみました。

 

伊勢丹の4階にあった「サロン・ド・テ シェ松尾」さん。

 

ドリンク付きで3080円のアフタヌーンティーセットにも興味津々でしたが、これは鰻食った後のオッサンが一人モシャモシャ食べるものでは無かろうと、こんな私でも雰囲気に気圧されて季節のパフェ林檎とホワイトチョコレートのパフェとブレンドコーヒーを注文。

 

 

うん、美しい。

紅白の林檎チップスと林檎のスライス煮、スパイシーなソフトクリーム、林檎ゼリーなどが美しくグラスの中に収まっています。

いやぁ・・・ハイソですねぇ。

 

林檎の酸味とソフトクリームのスパイシーな甘さがとても良く調和していて、食べる毎に変わる食感もとても面白く、とても贅沢な気分になります。

林檎の様々な表情を1杯のパフェの中で感じることが出来る素晴らしい「季節のパフェ」でした。

 

ただ、これはコーヒーじゃ無かったな。

ダージリンティーにしておけば良かった・・・

 

 

それにしても、周りのお客さんはほぼ全てマダムな感じでちょっと落ち着きません。

さすがサロン。

 

実はこの後所用があって夕方に大宮で集合しなければならないため、時間を潰さなければいけないのです。

残念ながらここで一人マッタリと時間を潰せるほどの度胸が無いので、パフェを食べて早々にお店を後にします。

 

 

 

 

さて、どこかで時間を潰さなければなりません。

本当は鰻を食べた後、「ボーはおそれている」を観に行きたかったのですが、12時からの回と21時の回しかなく、鰻を食い終わった時点でアウトだったため伊勢丹に行ったのですが、そこでも時間を潰しきれなかったのでどこか良い場所を探さなければ・・・

 

 

と、考えていたら、そう言えば東口に古い喫茶店があった「ハズ」と言うことを思い出し、試しに行ってみることにしました。

「ハズ」というのは、かれこれ20年以上前に行ったのが最後で、それ以降、東口は浦和のパルコが出来るなど再開発されているので、そのお店があるのか分からなかったのです。

ネットで調べればすぐに分かると思うのですが、調べたら面白くない。

ダメ元で東口に移動します。

 

 

駅を通ってパルコのある東口に出て、そのまま北側に抜ける路地に入ってすぐのところに・・・ありました。

 

 

1階入り口にあるこの昭和ど真ん中という感じのショーケース。

 

そしてそのショーケースを横目にエレベーターの前まで歩いて行くと・・・

 

 

埼玉屋」さんです。

 

これですよ、これ!

敢えてエレベーターは使用せずに階段でお店のある2階へ。

 

2階に上がるとお店の入り口がドーンと。

 

 

変わらない。

昭和から何も変わらない。

いや、昭和時代には来ていないんだけれど。

でも、20年前から何も変わっていないこの景色。

最高です。

 

店内を覗くと全然空いています。

駅からこんなに近いのに。

たばこも吸えるお店なのに。

 

 

そんな懐かしい埼玉屋に入店します。

 

 

 

 

見てください。

このガランとした店内。

店内に電話ボックスがある風景。

レンガ調の壁に、少し薄暗い店内。

これぞ昭和レトロ。

これにビロードのソファーがあったら純喫茶そのものなのに・・・。

 

この時点で15時少し前なのに、「ちょっと一休み」なお客さんがほとんど居ない!

でも、女子高生~女子大生らしきお客さんもいて、むしろそっちにビックリです。

小洒落た喫茶店じゃ無くて埼玉屋に来るなんて、分かってるじゃないですか。

 

久しぶりのこの雰囲気に感動をしつつ、ソーダ水とたまごサンドを注文。

さすがに焼きそばの気分じゃ無かった。

 

 

 

いやぁ、正しい。

なんと正しいソーダ水とたまごサンドでしょう。

たまごはクラッシュしていないゆで卵とレタス、キュウリのスライスがはさまれたバージョン。

味付けは薄く塗ってあるマヨネーズ。

美味い・・・

そうだよ、こういうのがホッとするんだよ。

 

そして外に並んでいるお客さんの順番待ちを気にすること無く過ごせる、ゆったりとした時間が流れている店内。

これが贅沢というものですよ。

 

たまごサンドをつまみながらiPhoneのKindleに入れている漫画を読みながら時間が流れていきます・・・

 

 

 

16時半頃に別件で出かけていた母親と妹から連絡があり17時半に大宮駅で合流することに。

 

ソーダ水のお代わりをしようか、後ろ髪を引かれつつ埼玉屋を後にしました。

 

 

 

 

 

17時過ぎに大宮駅に到着し、母親と妹の到着を待ちます。

 

さて、合流したら海無し県の美味い寿司でも食おうか、はたまた肉でも食おうか・・・

そんなことを考えていたら母親からメールが。

昼ご飯をいっぱい食べてしまったのでお腹が減っていないとのこと。

 

 

・・・なんだと!?

それじゃ寿司や肉は無理じゃ無いか。

 

でも、鰻食ってパフェ食ってたまごサンドを食った私としては、晩ご飯は晩ご飯でちゃんと食べたい・・・

 

 

どうする?

 

 

 

悩むのはやめて、合流後はお茶も食事も出来る「伯爵邸」に移動です。

 

 

さすが伯爵邸。

店内は満席です。

しかし、僅かに霧雨も降っていて他に移動するのも面倒なので少し並んで入店し、妹はフルーツパフェを、母親はパラダイス沖縄を、私はミートスパゲティの大盛りとクリームソーダを注文します。

 

・・・なんだよ、パラダイス沖縄って・・・

 

そんなことを思いながら料理の到着を待っていると、やってきました、ミートスパゲティ大盛り。

 

 

 

・・・忘れてた。

大盛りって言ったらすげぇ大盛りが出てくるんだった。

 

 

 

こうやって見ると、パンチョの大盛り(600g)って可愛いな。

 

久しぶりに大盛りを頼んでしまい、そのボリュームに圧倒されながらも負けては居られません。

クリームソーダを片手にモリモリとミートスパゲティを頬張ります。

 

ミートソースで混ぜた様なパスタなのですが、ミートソース以外にもタマネギやピーマンなどの具材も入っていて少し不思議なスパゲティなのですが、まぁ美味いんですよ。

普通の量だったら・・・

 

オイラがスパゲティをモリモリ食べていたら、少しお腹が減ってきたのか妹や母親も少し食べると言うことで喜んでお裾分け。

 

さっきの埼玉屋が「正しい昭和の喫茶店」だとすると、この伯爵邸は「いろいろ滅茶苦茶な喫茶店」。

コーヒーや紅茶に各種ビールや豊富な種類のカクテル、喫茶店ならではの軽食から沖縄そば、ステーキ、各国のカレー、最近ではウイグル料理まで何でもござれ。

でも、この滅茶苦茶な感じがたまらなく楽しく、24時間営業ということもあり大宮でも有数のスポットになっている訳です。

 

ふぅ・・・お腹いっぱい。

 

まさか今日一日、こんな滅茶苦茶な暴飲暴食になるとは思わなかった。

 

それでもやっぱり、むさし乃で食べた新仔鰻重はダントツに絶品でした。

未だに反芻できそう。

とても美味しい一日でした。