オーディオみじんこの『SILVER HARMONIZER XLR BOOSTER』を買ってみたよ
オーディオみじんこがXLR端子用の「間に挟み込む」系のSILVER HARMONIZERアクセサリーを発売したということで早速買って試してみることにしました。
機器とケーブル間に「挟み込む」タイプのアクセサリーは原理的(接点が増えてノイズの原因になる)にあまり好きではないのですが、今までもオーディオみじんこのSILVER HARMONIZER製品はいくつも使って効果は実感していますので、今回もまぁ、試してみようではないか・・・と。
というわけで、今回はORACLEのCD1000 mkII(CDトランスポート)とB.M.C.のDAC 1 Pre(DAC内蔵プリアンプ)を接続しているAES/EBUケーブルで試してみよう!ということで、『SILVER HARMONIZER XLR BOOSTER』を1個、購入してみました。
こんな感じで、いつも通り見た目の作りはしっかりしていて、持った感じもしっかりと重量感があり、振ると中でシャカシャカと充填物の音がしますが振動で発振音を出すほどではなさそうです。
端子はFURUTECH製なのね。
で、上流で使うほど効果がある・・・ということなので、CDトランスポート側のAES/EBU端子にSILVER HARMONIZER XLR BOOSTERを接続して、そこにケーブルを接続してみることに。
ちなみに、SILVER HARMONIZER XLR BOOSTER接続前の機器の背面はこんな感じです。
既にオーディオみじんこのBNC用仮想アース製品『SILVER HARMONIZER BNC』が装着されております。
デジタルケーブルとしてPurist Audio DesignのProteus (AES/EBU) を使用しており経年の劣化(液体シールド抜け等)もあるので、若干抵抗のある「挟み込む系」のアクセサリで何かが改善したら良いなぁ・・・という下心から今回の買い物になったわけであります。(ケーブルの買い替えも相当な出費になるので)
で、『SILVER HARMONIZER XLR BOOSTER』を挟み込んだのが以下。
機器背面にそれなりの空間がないと使えませんね。
とりあえずケーブルも無理なくアールを描いて曲がっているので大丈夫かな。
機器側の端子部分も、ケーブル側の端子部分もガタつくことなくしっかり接続できています。
ケーブル自体も重量系のケーブルではないので機器側の端子部に負荷がかかっている様子はありませんが、ただ、長時間このまま使うとどうなるか分からないので、オーディオみじんこの『SILVER HARMONIZER XLR BOOSTER』商品紹介ページでも書かれている通り、後日NCF Booster-Signalなどを導入するかもしれません。
で、とにもかくにも接続が完了したので聴き比べです。
SILVER HARMONIZER XLR BOOSTER接続前に以下のCDをしっかり聴いて、接続後に改めて通して聴く・・・という感じのユルい比較試聴ですがご容赦ください。
まずは先日発売されたヴァイオリニストの石上真由子さんと指揮者・作曲家でピアニストの鈴木優人さんの「ブラームス:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第1番」。
高崎芸術劇場の音楽ホールで録音されており、高崎芸術劇場に行ったことのない私でもそのホールを感じるような残響音の美しさが本作の持つ音質の高さなのですが(コロムビアらしい演出はありますが)、その残響音の消えていく様がより美しくなり、ホールの高さと奥行きがグッと広くなりました。
中央からわずかに左側に立つ石上さんのヴァイオリンの音色と、中央少し奥に鎮座する鈴木さんのピアノ共により定位がハッキリしたのと、ヴァイオリンのザラッとした弓が弦をこする音色が明瞭になった気がします。
SILVER HARMONIZER XLR BOOSTERを挟み込んでからはそれらの音の実在感がグッと増したことでホールのほぼ最前列で齧り付きで演奏を聴いているような感覚になり、より演奏に、音楽に没頭できました。
お次はテオドール・クルレンツィス指揮、ムジカエテルナ演奏の「ベートーヴェン交響曲第7番」。
このアルバムもことある毎にオーディオチェックとして使っていますが、今回もいつも通り聴いてみたのですが・・・あれ?ボリュームは前と同じだよな?と、少し困惑するほど「静寂感の向上」と「雑味の排除」による影響なのか、今まで特定のボリュームを超えると感じていた圧迫感やうるささが後退しました。
かといって音圧が薄くなったとか、低域が出なくなったということは全くなく、純粋に今までよりもこの部屋でしっかり再生できる音量が上がりました。
これは交響曲などの大編成のクラシックを体で楽しみたい私としてはこの上ない福音です。
ステージの見晴らし、奥行き、各楽器の定位もBOOSTER接続前よりも明らかに向上しています。
これは楽しいぞ・・・・
お次はジャズのボーカルもので、Susan Wongの「Close To Me (SACD)」。
先日、ヤフオクで売りに出したのですが、「再生できない!」とのことで返品となったいわく付き物件なのですが、返品されてきたディスクを再生してみたところ、SACDもCDも両方とも問題なく再生ができて、その際に改めてじっくり聴いてみたら音質的にもなかなかいいじゃない・・・と、再度我が家のCDラックに収まった盤です。
で、接続前と後ではどう変わったかというと、楽器の音や声の出る直前の空気感、そしてそれらの音が1音1音消えていくときの「消え方」が非常に繊細に表現され、生々しさが増しました。
そしてSusan Wongのわずかにハスキーで艶っぽい歌声が、さらに艶を増してその歌声に没入してしまいます。
口元の説得力・・・だけでなく、Susan Wong本人の全身、各楽器の定位と音色の生々しさが増したことでまるで本人が目の前で歌っている様です。
最後はジャズピアニスト野口茜さんの「NOGUCHI AKANE PianoTrio meets ERIC MARIENTHAL LIVE at AKASAKA B♭,TOKYO」。
昨年3月に38歳という若さで急逝してしまった野口さんの2017年に発売された、サックス奏者ERIC MARIENTHALをゲストに迎えた赤坂B♭でのライブアルバム。
ハッキリ言ってこのアルバム、野口さんとERICがデュオで演奏する1曲目の「My Romance」と2曲目の「La Fiesta」が演奏の濃さ、音質共に最高で、特に「La Fiesta」は出だしの野口さん渾身のピアノソロは鳥肌もので、アッと言う間の11分51秒。ゾーンに入っていたんじゃないだろうか。
目の前に実寸大のピアノが飛び出てくるような大音量で聴くと、この上ない音楽体験に浸ることができます。
そんな大好きなこのアルバムが、SILVER HARMONIZER XLR BOOSTERを加えたことでさらに会場の見通しが良くなり、今まで以上に「実在感」が向上。
店内の細かい雑音やお客さんの拍手が今まで以上に鮮明に聴こえ、本当にライブに来ている錯覚に陥ります。
あの細い体で、目を細くして楽しそうに力いっぱいピアノに挑んでいる野口さんが見えてくるようで、ちょっと例えようのない感動がありました。
なるほど・・・ここまで実際の「音」で説得されてしまうと「挟み込み系」のアクセサリーの力を認めざるを得ません。
まぁあっちこっちに多用するべきものではないんじゃないかとは思いますが、オーディオ機器による音楽体験に「最後の一押し」が欲しい時には絶大な効果を発揮する商品だと感じました。
ちなみに私の感想としては、挟み込んだ直後よりも2~3日経った後の方が効果がわかりやすいので、ぜひ、買ってみようかなと思う方は、挟み込んだ数日後に改めて聴き込んでみて下さいませ。
いやぁ・・・参ったなぁ・・・
今度はこのアルバムを聴いてみようか・・・あのアルバムはどうなるんだろう・・・
過去に聴きまくったアルバムを再び発掘して聴きまくりたくなる今日この頃です。