自筆証書遺言~遺言の3つの種類~ | 四姉妹のパパは保険屋さん 〜保険は賢く活用しよう!〜

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長崎の保険代理店(有)ビッグ・ワンの代表取締役大木敬介のブログです。
2023年9月まではただの雑記ブログでしたが、今は賢く民間保険に入る為の周辺知識を頑張って発信しています。

今回は正しい遺言の形式の1つ「自筆証書遺言」について解説します。

 

「自筆証書遺言」は、その名のとおり、被相続人(自分が亡くなった時に財産を譲る人)本人が「手書き」で作成する遺言書です。他の「公正証書遺言」「秘密証書遺言」と違い、自分で簡単に作成する事ができる為、一番多く使われている方法です。

 

簡単に作成できると言っても、どんな形でも良いという訳ではなく、「自筆証書遺言」を作成する時には一定のルールがあります。

【ルール①】全文を自筆で書く(財産目録は除く)

基本的には「全文」の自筆が必須です。代筆やPCで作成されたものは認められません。当然ビデオレターや音声での記録も認められません。全文をボールペン等で自筆で記入する必要がありますが、「財産目録(自分にどのような財産や負債がどこにあるのかの一覧)」に関しては平成31年1月の法改正で、PCでの作成や通帳のコピー等でも良いとされました。しかしそのような場合でも、必ず全ての目録(目録が両面印刷なら両面に)に遺言者の署名押印が必要です。なお、書き方は「縦書き」でも「横書き」でも構いませんし、特に紙の指定もありません。筆記用具も、筆でもボールペンでも鉛筆でもマジックでも構いませんが、「鉛筆」や「シャープペンシル」では、時間が経ってしまうと消えてしまう可能性もあるのであまり使わない方がいいでしょう。

【ルール②】署名押印する

①で触れた「財産目録」だけでなく、当然自筆で書いた「遺言書」本文に関しても署名押印が必要です。押印に関しては「実印」でなく「認印」でも可能ですが、「遺言書」の信頼性を高める為にも「実印」での押印が好ましいとされています。押し忘れや、陰影が不鮮明な場合は遺言書が無効になってしまう可能性があります。ちなみに、豆知識ですが「シャチハタ」等の「スタンプ型」の印鑑の中にはインクの種類により長期間経つと消えてしまうものがありますので、仮に「認印」を使用するとした時でも、必ずインクとセットになっているものではなく「朱肉」と普通の「印鑑」を使って押印するようにしましょう。

【ルール③】作成日を記入する

「自筆証書遺言」が複数でてきた場合には、新しい日付のものが有効となります。なので、当然遺言書には作成日の記入が必須となります。「○月吉日」等と書いてしまうと無効になってしまうので、必ず「〇〇年〇月〇日」と正確な記入が必要です。「〇月〇日」とだけ記入し、年度の書き忘れた場合も無効になってしまいます。

【ルール④】訂正のルールを守る

「自筆証書遺言」が複数出てきた場合には新しい方が有効と述べましたが、やはり複数の遺言書が出てきてしまった場合には「相続人」は混乱してしまうでしょう。「自筆証書遺言」を作成した後には、訂正する事もできます。しかし訂正にはちゃんとしたルールがあり、そのルールを守らないと遺言書自体が無効になってしまいます。

・間違った部分や訂正部分を二重線で消し、正しい文言を「吹き出し」を使って書き入れる。

・余白部分に「〇字を削除、〇字を加筆」などと記入し、訂正箇所ごとに署名押印する。

・修正テープや黒く塗りつぶしての訂正があった場合や、署名押印が抜けていた場合には遺言書全体が無効。

【ルール⑤】複数人での共同遺言をしない

例えば夫婦で共同して「私達夫婦2人の遺産は…」というように書かれた遺言書は無効となります。必ず1つの遺言書では1人の財産についての記入が必要です。

 

「自筆証書遺言」には「費用がかからない」「遺言者本人だけで作成できる」「手軽に作成できる」等のメリットがありますが、裏返せばそれ自体がデメリットになります。

と、いう事で最後に「自筆証書遺言」のデメリットや注意点を記載します。

【デメリット&注意点①】発見されない場合がある。

「自筆証書遺言」は手軽に作成し、「ルール」に則ったものであれば、タンスの引き出しに入れてあったものでも有効です!でもそんな事をしてしまうと最悪「発見されずにタンスと一緒に廃棄!」なんて事になってしまう場合もあります。

対処法として、「誰かに預けておく」「相続人に場所を教えておく」という方法もありますが、そうすると今度は「書き換えられてしまうリスク」が発生してしまいます。

そんな時の為に、「自筆証書遺言」には「法務局」で預かってもらうという方法もあります。せっかく作ったのであればリスク回避の為にこの制度を利用するのもいいでしょう。ただし、自分で保管をしていた場合には費用はかかりませんが、法務局で保管してもらう場合には3,900円(2024年5月時点)の手数料はかかります。

【デメリット&注意点②】勝手に開封すると無効になる。

「自筆証書遺言」をせっかく作ったとしても、発見した人が勝手に開封してしまった場合にはその「遺言書」は無効になってしまいます。「自筆証書遺言」を発見した相続人たちは原則として家庭裁判所で「検認」を受けなければなりません。検認とは、裁判所で遺言書の内容や状態を確認してもらう手続きです。検認を終えなければ遺言書によって不動産の名義の書き換えや預貯金の払い戻しなどを受けられません。しかし、先に述べた「法務局保管」の制度を利用すれば、この「検認」は不要となります。

【デメリット&注意点③】書式が自由なので曖昧な表現になる場合がある。

「自筆証書遺言」は自分の想いが特に強く反映されてしまうので、ついつい「財産〇〇は××に任せる。」とか「株式に関しては長男に託す。」というように曖昧なを使ってしまう場合があります。「任せる」とか「託す」という表現は取り方によっては「管理を頼みたい。」と解釈されてしまいます。このような表現は、解釈を巡って相続人間でトラブルになる恐れがあるので、財産を受け継がせたい相手には「取得させる」「相続させる」「遺贈する」などの文言を使いましょう。「渡す」や「譲る」などの表現も避けるのが無難です。

【デメリット&注意点④】無効になりやすい。

これまでの「ルール」や「注意点」を守らなかった「遺言書」はそれ自体が無効となってしまいます。費用がかからず手軽な方法ではありますが、必ずルールは守りましょう!

 

さて長くなりましたが今回は以上です!

 

「相続」や「贈与」は何も知らずに行うと、多額の税金がかかったり、揉め事になる事もあります。これは、大金持ちの人だけに言える事ではありません。「相続」や「贈与」の中身を知るだけなら、全く損する事はありませんし、関係してくるのであれば民間保険等を賢く使って対応する事も可能です。私も勉強しながら頑張って発信していきますので、よろしければ一緒に学んでいきましょう!

 

ほなまた!

 

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※今回の記事は2024年5月26日時点での情報です。御覧になるタイミングによっては最新の情報ではありませんので注意して下

さい。