今回は2026年4月1日から開始される自転車に対する青切符制度に備え、意外と知られていないと思われる自転車に関する交通ルールをご紹介していきたいと思います。
今回の記事は、警察庁交通局が2025年9月に出している「自転車を安全・安心に利用するために ー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー 【自転車ルールブック】」の内容から抜粋して作成していきたいと思います。
この記事を見ていただく事で、そんなルール知らなかった!と言って反則金を払わなくてよくなる可能性が高くなりますので最後までご覧いただければと思います。
警察庁の自転車ルールブックには、青切符導入の背景や基本的な自転車の交通ルールが掲載されていますが、今回は「反則金」の対象となる違反行為に絞ってご紹介していきます。
まず4月から何が変わるのかを簡単に説明します。一言で言うとこれからは自転車の交通ルール違反で警察から取り締まりを受けた場合には、青切符が切られるようになるという事です。青切符って何?と思う人もいると思いますので、もっと簡単に言うと、今まで警告で済んでいた自転車の交通ルール違反に反則金が科されるようになるという事です。
対象となるのは16歳以上で自転車を運転している人全てです。青切符とか赤切符とか言うと自動車の「運転免許証」に関わる事だと思っている人もいるかもしれませんが、免許を持っていようが持っていまいが、4月から自転車での交通ルール違反をしてしまうと16歳以上であれば全員反則金が科されます。
当然「そんな交通ルール知らなかった」では許してもらえませんので、自転車を運転する人はちゃんと把握するようにしておきましょう。
警察庁の自転車ルールブックで詳細が説明されている反則金の対象となる交通ルールは、「通行区分違反」「通行帯違反」「通行禁止違反」「歩行者用道路徐行違反」「自転車道通行義務違反」「歩道徐行等義務違反」「路側帯進行方法違反」「横断歩行者等妨害等」「並進禁止違反」「信号無視」「徐行場所違反」「指定場所一時不停止等」「交差点右左折方法違反」「法定横断等禁止違反」「優先道路通行者妨害等」「交差点優先者妨害」「交差点安全進行義務違反」「環状交差点通行車妨害等」「環状交差点安全進行義務違反」「携帯電話使用等(保持)」「踏切不停止等」「遮断踏切立入り」「自転車制動装置不良」「安全運転義務違反」「軽車両乗車積載制限違反」「公安委員会遵守事項違反」「被側方通過車義務違反」「無灯火」の全28種類です。今回はこれらをザザっとある程度まとめて解説していきますので是非参考にされて下さい。しかし本来は他にも「放置駐車違反」「速度超過」「駐停車違反」「追越し違反」「急ブレーキ禁止違反」「路面電車後方不停止」等、自動車に関連する数多くのルールが自転車に関しても対象となります。正直全てを完全に把握するのは難しいと思いますが、ある程度こんな違反があるんだという事は一度見ておいた方がいいと思います。詳細を知りたい方は是非警察庁の「自転車ルールブック」をご参照下さい。今回の記事の内容はもちろん、巻末には「法上、自転車が対象とされている反則行為一覧」が記載されています。
先ずご紹介するのは通行する場所に関するルールです。
自転車は法令上「軽車両」と位置付けられ自動車と同じ「車両」の一種ですので、原則として自転車は歩道ではなく車道を走らなければいけないとされています。
ここでいう「車道」とは、歩道又は路側帯以外の部分です。歩道とは縁石等で車道より一段高くなっていたり、ガードレールで仕切られていたり、車道と色を分けたりしている部分の事をいい、路側帯とはガードレール等がなく、単純に白線で車道と区切られている部分の事をいいます。白線1本の場合は通常の路側帯ですが
白線2本で仕切られている場所は歩行者用路側帯です。
道路が車道と「歩道や路側帯」に分かれている場合には、原則として自転車は車道の左端を通行するというのが基本ルールとなります。何度も言いますが自転車は軽車両扱いですので、車道の右端を走ってしまうと車の通行と反対向きになってしまうので、「逆走」になってしまいますので、気を付けて下さい。
また、車道に「普通自転車専用通行帯」やが設けられている場所では、その「普通自転車専用通行帯を走行しなければいけません。
基本は車道通行と言いましたが、これは絶対的なルールではなく、あくまで原則です。歩道や路側帯を走行しても即違反となる訳ではありませんので、歩道や路側帯走行のルールを確認していきましょう。
まず路側帯に関してです。自転車は、著しく歩行者の通行を妨げるときを除いて、路側帯を通行することができるとされています。つまり妨げさえしなければ路側帯は走行OKという事です。ただし、自転車で路側帯を通行するときは、道路の左側部分に設けられた路側帯を通行しなければなりません。あくまで道路の端なので、やはり道路の右側の路側帯を走行してしまうと逆走扱いになります。
また、通常の路側帯は走行していいのですが、白線2本の歩行者用路側帯は歩行者専用なので、自転車は走行してはいけません。
車道と明確に区切られている歩道に関しては、
「道路標識・道路標示で歩道を通行することができるとされているとき」「13歳未満の方若しくは70歳以上の方又は一定の身体障害を有する方が運転するとき」「車道又は交通の状況に照らして、自転車の通行の安全を確保するため、自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき」の3つに限って自転車は歩道を走行していいという事になっています。路側帯と違って歩道に関してはあくまで例外的に走行が認められているという事になります。ただし、車道と歩道の他に「自転車道」が設けられている道路では、自転車はその「自転車道」を走行しなければならず、歩道を走行してはいけないとされています。
歩道を走行する場合には、車道走行の時のルールと違い、歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならないとされています。歩道走行時に自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、自転車が一時停止しなければいけません。また、歩道には「普通自転車通行指定部分」が設けられている場所がありますが、その時には普通自転車通行指定部分を徐行しなければならない事になっています。ただし普通自転車通行指定部分を走行する時に歩行者がいないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行していいとされています。
ちょっと紛らわしいですが、車道にあるのが「普通自転車専用通行帯」、歩道にあるのが「普通自転車通行指定部分」です。
通常の歩道ではない歩行者専用の遊歩道に関しても、自転車に限って通行が認められているものがあります。この自転車が走行してもいい遊歩道においては、当たり前ですが、特に歩行者に注意して徐行しなければいけないとされています。
また、通常の道で道路を横断する時に、近くに自転車横断帯があれば、その自転車横断帯を通行しなければいけません。ない場合には横断歩道を通行することもできます。ただし、横断中の歩行者の通行を妨げるおそれがあるときは、自転車に乗ったまま横断してはいけないとされています。
それではこれまでのルール違反の反則金をみていきましょう。
「理由なく歩道を走行した場合」「車道を走行していても左端ではなく右端を逆走していたような場合」「白の2本線で区切られた歩行者専用路側帯を自転車で走行した場合」には「通行区分違反」となり反則金は6000円です。
今回ご紹介した通行する場所に関するルール違反での反則金では、この6000円というのが最も高額になります。
6000円以外の反則金は、5000円と3000円の2種類に分かれます。
では5000円の反則金を見ていきましょう。
車道に普通自転車専用通行帯が設けられているのに、そこを通行しなかった時には「通行区分違反」、自転車が走行してもいいとされている遊歩道で徐行していなかった場合には「歩行者用道路徐行違反」、横断歩道を通行している時に歩行者の妨げになるにも関わらず自転車に乗ったまま横断してしまった場合には「法定横断等禁止違反」となります。これらの違反の反則金が全て5000円です。
また自転車特有のルールではありませんが、一方通行道路の逆走をはじめ、自転車を含む車両の通行が一律に禁止されている道路を通行した場合にも「通行禁止違反」として、反則金5,000円の対象となります。
その他にご紹介した通行する場所に関するルールの反則金は全て3000円です。
自転車道があるにも関わらず歩道を走行した場合には「自転車道通行義務違反」、歩道走行時に車道寄りの場所を走行しなかったり、歩行者の妨げになっているのに一時停止しなかった場合には「歩道徐行等義務違反」、歩道に普通自転車通行指定部分があるのにも関わらず指定以外の場所を走行したり、指定部分を徐行しなかった場合にも「歩道徐行等義務違反」、路側帯を走行する時に歩行者の妨げとなるような走行をした場合には「路側帯進行方法違反」となります。
これらの反則金が全て3000円です。
ではここからは運転の仕方に関するルールを見ていきます。
先ずは信号機に関するルールです。
自転車は車道を進行するときは「車両用信号」、横断歩道を進行するときは「歩行者用信号」に従います。ただし「歩行者用信号」に「歩行者・自転車専用」の標示がある場合は、車道を通行するときであっても、歩行者用信号に従うことになっています。また、「車両用信号」に従うときは、自動車と同様、信号が黄色の場合は、安全に止まれないときを除いて、停止位置を越えて進行してはいけません。
信号機がなく左右の見通しがきかない交差点や、道路の曲がりかど付近では自転車は徐行をしなければいけません。一時停止標識等のある交差点では、停止線があるときはその直前で、停止線がなければ交差点の直前で一時停止しなければなりません。これも自動車と同じです。
交差道路に進入するときには、交差道路が優先道路である場合や通行してきた道路よりも明らかに幅員が広い場合は、交差道路を通行する車両の進行を妨害してはならず、かつ、交差点に進入するときは徐行しなければいけないとされています。優先道路とは、交差点を突っ切る形で中央線又は車両通行帯が設けられている道路等をいいます。また、それ以外の場合で、自転車で信号のない交差点に進入するときには、原則として交差道路の左方から進行してくる車両が優先となります。
併せて、自転車で交差点に進入するときは、交差道路を通行する車両、反対方向から進入してきて右折する車両、道路を横断する歩行者に特に注意し、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならないこととなっています。
次に横断歩道付近を走行する時のルールです。これも自動車の運転に近いものがあります。自転車が横断歩道に接近する場合には、歩行者がいないことが明らかなときを除き、横断歩道の直前で、停止線があるときはその直前で停止することができるような速度で進行しなければなりません。また、横断中又は横断しようとする歩行者がいるときは、横断歩道の直前で一時停止し、その通行を妨げないようにしなければなりません。さらに、横断歩道又はその手前の直前で停止している車両がある場合において、その車両の側方を通過してその前方に出ようとするときは、一時停止しなければならないとされています。
踏切を通過する時には踏切の直前、停止線があるときはその直前で停止し、安全であることを確認してから発進しなければいけません。また、踏切の遮断機が閉じようとしているときや警報器が鳴っている間は、その踏切に入ってはいけません。
そして、意外と知られていないのが、自転車の並進に関するルールです。並進とはいわゆる横並びです。2台の自転車で横に並んで走行することを並進と言います。
自転車は歩道であっても車道であっても、横並びで2台並進してはいけないとされていますので注意しましょう。
それではここまでのルールの反則金を見ていきます。
ここで紹介したルール違反で一番反則金が高いものは、踏切の遮断機が閉じようとしているときや警報器が鳴っている間に踏切内に立ち入る行為です。これに違反すると、遮断踏切立入りとして、反則金7,000円の対象となります。
次に高額なのが反則金6000円の違反です。
遮断踏切り立入はしなかったとしても、踏切前で停止しなかった場合には、踏切不停止等として6000円の反則金が科されます。
また、横断歩道付近で安全な走行をしなかった場合には「横断歩行者妨害等」、適切な信号のルールを守らなかったり、信号のある交差点で2段階右折をしなかった場合には「信号無視」、交差点に進入する時に安全な速度で進入しなかった時等には「交差点安全進行義務違反」となり、これらもそれぞれ6000円の反則金が科されます。
次に反則金5000円の違反です。
信号機がなく左右の見通しの悪い交差点で徐行をしなかった場合には「徐行場所違反」、一時停止の標識のある場所で一時停止しなかったときには「指定場所一時不停止等」、優先道路を進行している車両の通行を妨害したときには「優先道路通行車妨害等」に、優先道路のない場所で左方から進行してくる車両を妨害したときや、右折時に他の車両を妨害してしまったときには「交差点優先車妨害」となります。これらの違反の反則金がそれぞれ5000円となります。
残りの違反の反則金は3000円です。
自転車で横並び2台で走行した場合には「並進禁止違反」、左折をする時や信号のない交差点で右折をする時に明らかに左に寄っていなかった場合には「交差点右左折方法違反」でそれぞれ3000円の反則金となります。
最後に危険な行為の禁止等のその他のルールです。
自動車の運転でも問題になっていますが、今最も危ないと言われているのが、携帯電話を操作しながらの運転です。携帯電話は運転中に手に持って通話をしたら当然違反ですが、手に持って画面を注視しただけでも違反になります。いわゆる「ながら運転」というやつです。
この「ながら運転」に関しては携帯電話だけでなく、傘さし運転や両耳にイヤホンを付けて周りの音が全く聞こえない状態での運転も問題視されています。傘を差しての運転は、自転車のハンドル、ブレーキの操作が難しくなり、イヤホンをつけての運転は、周囲の音が聞こえず、自動車や歩行者の動きに気付けなくなり、重大な事故に発展するおそれがあります。実は傘さし運転とイヤホンに関しては道路交通法での規制ではなく、各都道府県での公安委員会規則で規制されています。傘さし運転もイヤホン装着運転も全ての都道府県で禁止されていますので全国共通ルールと思っていていいと思います。ただし、イヤホンを片耳のみに装着しているときや、オープンイヤー型イヤホンや骨伝導型イヤホンのように、装着時に利用者の耳を完全には塞がないものについては、安全な運転に必要な音又は声が聞こえる限りにおいて、違反にはなりません。
また、傘を手に持っていたら違反となりますが、自転車に取り付けていた場合はどうなるかというと、この場合は各都道府県によって違反となるところと、ならないところがあるようです。そもそも公安員会規則は基本的には各都道府県によって異なりますので、気になる方は、お住まいの地域の公安委員会のルールを確認するようにして下さい。
他にもたまに見かけるのが自転車での二人乗りです。
自転車で二人乗りをすると、ブレーキの効きが悪くなる可能性があるほか、バランスを崩し転倒する可能性もあるので非常に危険です。自転車の二人乗りも立派な違反行為となります。ただし、16歳以上の保護者が、小学校入学前の幼児を幼児用座席を取り付けた上で運転することは問題ありません。体重制限や自転車の種類等による制限はありますが、自転車の前後に座席を取り付けてお子さん二人と三人乗りする場合であっても大丈夫です。しかし、2人の幼児を前後に乗せた上で、おんぶ紐等で3人目をおんぶして運転していた場合には4人乗りとなり、乗車人数違反となりますので注意しましょう。
自転車を運転するときは、自転車のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければいけません。例えば、手を放して自転車を運転するような「手放し運転」や前輪を上げて走行するようないわゆる「ウイリー走行」をしてはいけません。「手放し運転」も「ウイリー走行」も反則金対象の違反行為となります。
乗る前に関してもルールがあります。整備に関するルールです。当然ですがブレーキがない自転車や、ブレーキが故障した自転車を運転してはいけません。
故障していると解っていて運転した場合にも違反となってしまいますので気をつけましょう。
最後に夜間の運転に関してですが、夜に自転車を運転する時には、自動車と同様にライトをつけなければいけないとされています。夜に無灯火で自転車を運転しても違反となってしまします。
補足となりますがヘルメットの着用に関しては現在反則金の対象ではなく、努力義務となっていますので、着用していなくても違反にはなりません。しかし、ヘルメットを着用していた場合としていなかった場合の頭部負傷事故の致死率は約1.4倍の差があるというデータも出ていますので、反則金の対象ではないにしても、ご自身の身を守る為にできれば着用される事をオススメします。
それでは危険な行為の禁止に関する反則金の金額を見ていきます。
運転中の携帯通話や画面注視は「携帯電話使用等(保持)」として反則金1万2,000円の対象となります。これは自転車の反則金の中で最も高額な反則金です。
手放し運転やウイリー走行をした場合には「安全運転義務違反」となります。この場合の反則金は6000円です。
故障車を運転した時には「自転車制動装置不良」、傘さし運転や完全に音が聞こえない状態でのイヤホン運転は「公安委員会遵守事項違反」、ライトを点灯しないでや火運転した場合は「無灯火」となり、これらは反則金5000円です。
二人乗りをした場合には「軽車両乗車積載制限違反」となり反則金3000円が科せられる事になります。
さて、これまで①通行する場所に関するルール②運転の仕方に関するルール③危険な行為の禁止等のその他のルールを「自転車運転ルールブック」に記載しているものの中から抜粋してお伝えしてきましたが、今回ご紹介したものはあくまで抜粋ですので、全てのルールを網羅している訳ではありません。繰り返しになりますが、詳細を知りたい方は是非警察庁が出している自転車ルールブックをご参照下さい。巻末には「法上、自転車が対象とされている反則行為一覧」が記載されていますのでそちらも参考にしていただければと思います。
また、自転車の運転で罰則があるのは、反則金対象の青切符の制度だけではなく、反則金の対象違反よりも重い刑事罰や罰金の対象として、「飲酒運転・酒気帯び運転」や「あおり運転」等もあります。これらも当然行ってはいけないものですので基本的な交通ルールも把握した上で、常識のある運転をこころがけて下さいね。
それでは今回は以上となります。
さようなら~!