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Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

望むと望まざるとにかかわらず、自宅は改修されていく。どんどん便利になっていく。それはつまり、僕の体調が悪化していることを意味する。以前は、毎日のようにすっ転んでいた。今は容易に転ばない。病状は、以前の方が軽いのにね。何故なら、手摺がある。そこら中に。

 

 

数えてみる。玄関に2本。部屋に3本。トイレに4本。廊下に3本。食卓に1本。脱衣所に3本。浴室に2本。ふう。足し上げて、合計で18本。これとは別に、介護用品として業者からレンタルしている突っ張り棒が3本ある。それぞれに付属として取っ手(40cm)も付けている。

 

 

勿論、有料オプション。この度、40cmから70cmの取っ手に取って代わった。費用に差異は無いようだ。この変更により、ベッドでの寝転び姿勢から起き上がる際、窮屈な姿勢を強いられることはない。ありがたい。ん。本当だろうか。利便性を感じるのは、不便だからでは。

野球の世界大会。ワールドベースボールクラシック(通称WBC)。前回大会はメジャーリーガーで固めた本場の国アメリカを決勝で倒して、日本代表が大会3回目の優勝を飾った。大谷翔平の投打の大活躍準決勝のメキシコ代表との死闘。野球アンチの僕も、超盛り上がった。

 

ちょっと待って。いつから野球アンチになったかって。うるせーな。交際相手と破局してからだよ。あれ以来、日本プロ野球の試合を全然観ていない。思い出しちゃうからね。あとは、既得権益の問題。「ワールド」と名付けておいて、その実、アメリカの大会じゃねーか。

 

例えばホームの地の利。観衆の大声援。時に審判の判定。大会運営に拠出する莫大な費用には感謝しつつも、毎回決勝ラウンドをアメリカで戦うのはスポーツの観点から見て、公平じゃないね。え。毎回目の色を変えて、優勝を狙っているのはどこの国だって。こ、怖くねーよ。

 

 

さて今大会から何かが変わった。賞金額か。大会の格式か。参加チームのメンバーを見れば分かる。メジャーリーガーが多い。本気だね。強豪国のメキシコが、決勝ラウンドを前に姿を消した。ドミニカvs韓国の試合、凄かったね。強かったドミニカを倒す、アメリカも強い。

 

 

連覇を期待された日本代表は、大会BEST8で列強ベネズエラと闘い、散った。敗因は、ずばり中継ぎ陣にある。個々の能力の問題ではない。NPBで使用する試合球が飛ばないから。高投低打の出来上がり。工夫なく、豪速球を投げれば打ち取れるのは国内での話。MLBの試合球よ。

 

 

救援陣に全責任があったかと言いうと、そうではない。打撃陣にも反省を促したい。優勝したベネズエラの試合、観てどう感じたか。送りバントの成功率。甘い球を見逃さない制球眼。全速力の進塁。日本がやるべきスモールベースボール。負けたけど、本気の野球は面白い。

ネタが無いのは、お前の視座が低いから。世の中にはね、今日も新たな話題に事欠かない。先週の美容院にて。いつからか、紙の雑誌媒体からタブレットに取って代わった。利用者にとって、読める選択肢は多い方が良い。そんなわけで、普段は手に取らない経済誌をスワイプ。

 

自動車産業の新たな風雲児。EVのテスラ。その日本法人で、自爆営業が増えているみたい。既に社内で処分が下っている。ここからはうろ覚え。信じるかどうかは、あなた次第ね。まずは米本国でのテスラに対する逆風。1つに中国の台頭。1つに経営者の問題発言に対する批判。

 

そんな中で、日本法人に対する圧は強い。過去は過去。本社は本社。返事は「はい」か「Yes」かだ。さてあんたは、逆境に強いか。ここで役員が動く。報酬設定。所謂、インセンティブ。本来は納車ベース。しかし実際は受注ベース。受注とは、客都合のキャンセルも含まれる。

 

 

さて社内は大混乱。インセンティブ目当てに、架空の客を設けては、自爆営業を計る従業員もいるみたいだ。この報酬額が馬鹿にできない。中には、基本給と同等のインセンティブを稼ぐ不届き者もいたようだ。50万円+50万円。ここで思い出す。過去に同じようなことがあった。

 

あれは社会人3社目のヘッドハンティング会社。日系のサーチファーム・エージェントとして国内最大手。外的脅威のリーマンショックも対岸の火事。当時、僕のマネージャー昇格が決まっていた。部下ができる。給与も上がる。しかし破談。急速に冷え込む人材採用市場。

 

 

人材紹介には大きく2つの手法に分けられる。リテーナー契約かコンティンジェンシーか。前者はヘッドハンティングの専売特許。後者は社内のデータベースに溜められた人材情報と、求人の内容からマッチングするサービス。つまり成功報酬型ね。さて問題のリテーナーよ。

 

 

ここでも、さらに細分化する。一括型か、分割型か。分割の場合も、二分割か三分割か。まあいいや面倒臭い。分割の場合、途中解約ができる。客の都合のキャンセルが相次ぐ。時代はリーマンショック。やる気を失う社員。手を打つ経営。インセンティブ制。契約時に発生。

 

 

何故、納品ベースにしなかったのか。ずる賢い社員が制度を悪用する。顧客と結託する。リテーナー契約を締結。インセンティブを貰う。退職。顧客からキャンセル連絡。こんな悪事が横行した。人間不信に陥った経営。僕もだよ。尊敬していた先輩社員が、まさかね。

週末の新宿駅に向かう車中。京王線。大混雑。微動だにさえできない。こんな思いをするぐらいなら、行き方を改めるよ。おかげでね、友人と電車内での待ち合わせができなかった。僕は彼女が好きだった。大学時代の話。学部は別だけど、ある授業で隣の席に座ったのが経緯。

 

 

先生「隣の人とペアを組んで。肩を揉む人と揉まれる人で分かれてみよう。で、二人で呼吸を合わせてみようか。ハイ。ゆっくり吸ってぇ、ハイ。吐いてぇ」。うわ。超気持ちいい。呼吸を合わせると、こんなことまで。あと。ペアの女性、超可愛くないか。これも呼吸効果か。

 

 

ダメだ。過去を振り返ったところで、生産的なモノは何も生まない。不毛だ。だいたい僕らは歳を取り過ぎた。来年は45歳だぜ。四捨五入したら50歳。もう一度四捨五入したら100歳だ。爺と婆だ。けど何でだろう。目の前に座る僕らは全員が若い。小太りも禿げもいない。

 

 

大学時代のある授業。異文化間コミュニケーション学。そこで仲を深めた僕ら5名。学年が一緒。周囲を見渡すと、1学年下の学生が中心。まだ発信力に自信があった僕。クラスメイトを巻き込む新企画。ずばり、異文化を学ぶには食文化から。定期的に、海外グルメを食べ歩く。

 

 
最後まで残ったのは、輪の中心にいた僕ら5名。過去には色んな国に行った。スペイン、メキシコ、トルコ、インド。そして僕らは年を取る。平等に。先に女性陣が母になり、僕が病気になって、残った彼が父になった。勘違いしてはいけない。彼はモテる。だがずっと、仕事がね。
 

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今日訪れたのはイタリア。北海道じゃないよ。新宿高島屋の毎度のレストラン街。女性の発案で、彼に贈り物をしようと密かに動いていた。皆、サプライズが好きだな。当然、僕だって嫌いじゃないぜ。誰かを驚かせることも。喜ばせることもね。だが病状が。今は他人より自分。

 

もしも病気じゃなかったら。きっと今でも一人暮らしを継続している。違うな。家族を形成している。妻はあの子。で、今日も朝からスーツに着替えて、満員電車で職場まで。ブログのネタに困るなんてことはない。刺激的な日常が待っている。仕事を通じた、新たな出会いとか。

 

 

日々、情報をアップデート。同僚は同年代。彼らから教わることも多い。一方で、僕が彼らに講釈を垂れることもある。仲間から先生と呼ばれる所以だね。あ。職場は池袋時代ね。在籍一年目の12月。新宿の外資系ホテルで行われた忘年会。その余興。招待された別会社の社長。

 

 

彼から2枚の画像を受け取る。一枚目はルフィーを中心とする海賊団が8名。二枚目は、社長を中心とする我々8名。僕はサンジ役(右下)だね。この後も、優秀なメンバーが続々と増えた。奇跡の世代。その中心にいたのが、病気の前の僕やで。本当は、辞めたくなかったのね。

 

 
何でこんなことを思い出しているのかって。3月は別れの季節。大好きだった仲間から離れたのは2016年3月。上の写真は何だっけ。同窓会か。否。恐らくは日中の彼らの達成会に、僕が招待された時のやつだ。2017年3月。9年前。まだ杖もいらなかった時代。も、戻りてーな。