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Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

仲良し三兄弟として、地元では有名だった。喧嘩に強い次弟と、要領の良い末弟。支える長兄。全員に、可愛いパートナーがいた。喧嘩なんかしない。それは、社会人になってから。重い病気の母親を助ける。共通する目標があった。協力し合った。気持ち悪いって言うなよ。

 

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骨太でガッチリ体型の次男。スラリと高身長の三男。どちらも父親の遺伝だろう。重い花粉症もそうだ。乾燥肌も。僕は違う。低身長だった母親の遺伝を継いだ。だから、難病(SCD)の遺伝も引き継いだのだろう。今なら分かる。病気は憎い。が、母は悪くない。むしろ被害者。

 

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二歳差の僕と次弟。今は何のわだかまりも無い。利害関係が無いからだ。それどころか頼もしい。今はPOSシステムのセールスエンジニアとして、納品先の全国の飲食店に営業支援に出向いている。忙しそうだ。不規則な生活で付いた贅肉を落とすべく、フルマラソンに必死。

 

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6歳も年の離れた末弟と僕。幼少期、父親はちゃんといたが、面倒見の良かった僕は彼からパパと呼ばれていた。それが、こんなに大きくなった。今はIT系広告会社の社長。創業期こそ経営危機もあったみたいだが、安定している。毎晩飲み歩き、都度、義妹に怒られている。

 

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人と比べてはいけないよと識者は言う。隣の芝が青く見えるからだ。分かるよ。見えないところで、苦労しているんだもんな。でもね、弟の成長曲線に、兄が準えるのはダメか。彼らにできて、僕にできない理由は何だ。畜生。僕だって頑張ったんだ。仕事も恋愛もスポーツも。

 

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突然、Netflixにおススメ映画として推してきた同タイトル。気になって調べる。「このミステリーがすごい!2023年版」で1位を獲得した小説の実写映画化。興味本位で観始める。眠りに就く直前。念の為、ヘッドホンを装着。さて没入。大当たり。恐怖。佐藤二郎が凄い。

 

爆弾

(内容紹介)

酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。やがてその言葉通りに都内で爆発が起こり、スズキはこの後も1時間おきに3回爆発すると言う。スズキは尋問をのらりくらりとかわしながら、爆弾に関する謎めいたクイズを出し、刑事たちを翻弄していくが……。

 

2時間足らずのボリュームながら、何度かに分けて観賞した。あのね。出演者の演技力に満たされるよ。特に、冒頭で述べた佐藤二郎。コミカルな俳優だと認識していたが、価値観がひっくり返った。怖かった。でも一方で、睡眠導入にも良いかも。終始、静かなトーンだから。

 

お誕生日おめでとう!今年も沢山のメッセージを寄せていただいた。年甲斐もなく嬉しい。誰かが十数秒間、僕の為に時間を割いてくれたのだ。はしゃぎたくなる気持ちぐらいは分かるよな。僕が相手に表示する、感謝の意向はこうだ。「飲みに行きましょう」とコメント返信。

 

だがちょっと待って欲しい。本当に有意義な時間を過ごせるだろうか。想像してみる。相手とは10年は会っていない。つまり、難病の僕を知らないわけだ(体調が悪化したのはここ5年ぐらいのこと)。他にも参加者がいるのならストレスも紛れるが、恐らくそうはならないだろう。

 

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だから、相手との関係性を踏まえて、飲みの打診をキャンセルしてしまうことになる。毎年のように交友関係が広がっていく喜びを得られたのは30代まで。以降は、友達の数も、飲みに行く回数も、楽しみまで、全てが縮小傾向。家族だって年を取る。最後まで残るものは何だ。

 

毎月のように府中に出掛けていたカラオケ仲間を失って、声帯を強引に開くリハビリテーション相手は、いよいよ戸田さん一人になった。しかし彼女も社会人。引っ越しに転勤にと忙しい。前回お会いできたのは、まだ2025年だった。5か月振り。ちょっと緊張。声出るかな。

 

 

1曲目は殆どスルー。2曲目は3割程度。3曲目で7割程度。声量なんて酷いものよ。値段の安価な中華製ワイヤレスイヤホンの音質の方がマシなレベル。体力が衰えたな。惨め過ぎて、自分のことを直視できない。例えば、部屋の外のトイレに立つ。彼女が支えてくれるのだが。

 

 

さて二軒目は歩いてすぐの距離にある大人気の居酒屋。あ。僕は電動車椅子だけどね。外で降りて、彼女の肩を借りて店内へアクセス。たまには別の店に行けって。あのね。この店は戸田さんのお気に入りでもあるの。肉が苦手で、魚料理や焼き野菜がその分美味しいと好評。

 

 

このお店でもトイレに二回。すぐ隣の客の「酔い過ぎだろ」って視線が痛い。まだ生中一杯だけなんだぜ。思考だってまともなはず。席だって、トイレから近い(お店のご厚意)。でも、足が震えるんだ。おい足の筋肉。どこに行ったんだい。外歩き、サボっていた弊害が出たね。

仕事が恋しいと漏らす。仕事、していなかったっけと突っ込まれる。違うんだ。僕にとって仕事とは、いつでもどこでも対応可能なリモートワークのことではない。通勤して職場に向かう。同僚が待つ。目標数字を追う。達成して一体感が増す。達成会。社員旅行。社内サークル。

 

 

先輩社員として、新人のアポイントに同行する。ガッチガチに緊張する若手の緊張を解す。要点のみを顧客に伝えて、あとは彼らに任せる。帰り際、後輩から困り顔で訊かれる。「今日の訪問、何点でしたか」ってね。8点。あ。10点満点じゃないよ。100点満点評価ね。と僕。

 

 

「先輩、彼女さんとかいらっしゃいますか。いえ。いるなら、諦めないとなーとか思ったりなんかして。あ。ちょっと酔っ払っているかもしれないです。すみません。聞かなかったことにしてください」。確かに頬が赤い。これは酔いか。照れているのか。楽しかった思い出。

 

 

今の僕が、逆立ちをしても手に入らない日常。逆立ちどころか、二足歩行さえできないのだが。今の僕ができる仕事。主に3点。経理業務として、領収書をデータ化する案件と、PR文章の作成業務(広報誌やインスタグラム)に加え、一般社団法人の事務局業務が新たに増えた。