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Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

地獄の所業の深夜帯。右肩痛ではなく、全身筋肉痛ね。つまり第二弾。前回の苦しみの中、縋った入眠映画が思いのほか良かったのを思い出す。キーワードは「女子高生」、「殺し屋」。これだけだと、B級映画のクオリティーを想像する。でも不思議と、そうはならなかった。

 

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー

(内容紹介)

組織からの依頼で殺しを請け負っている、ちさととまひろの2人は、ジムの会費、保険のプラン変更など、日々のお金に頭を悩ませ、いつものように途方に暮れていた。一方、殺し屋協会アルバイトの兄・ゆうりと弟・まことの兄弟もまた、お金の悩みを抱えていた。上からの指令ミスでバイト代はもらえず、正社員ではないため働いても満足した生活ができない。そんな現実を前に、お金が欲しい兄弟は、「ちさととまひろのポストを奪えば正規のクルーに昇格できる」という噂を聞きつけ、ちさととまひろの前にたちはだかる。

 

今回は二作目ということで、続編あるある、中だるみと言うか、妙な停滞感が見受けられた。これを忌み嫌うと、映画はどんどんペースが速くなる。多くの映画監督が好む技法に「緊張と緩和」がある。所謂、見せ場の前のテンポダウン。今作も、クライマックスは凄かった。

 

まだ痛みは体内に宿る。腕も。足も。下腹部もね。でもだいぶ、程度は緩和してきた。なので振り返ろうと思う。地獄のような苦しみを。バレンタインデーの翌日だから、15日(月)のことか。前日の仲間との会食から戻り、重い身体と闘っていた。文字通り、筋肉痛のね。

 

動きたくない。ずっと寝ていたい。でも、特に腕が重い。動かさないと、鉛のように沈んでいく。と、ここで違和感。クルクルキュー。ん、何だこれ。突如、胃を襲う激痛。やばい、トイレ。重い身体を引き摺って、駆け込む。下痢の症状。昨日の焼き肉(生焼け)が原因か。

 

 

以降も、一時間おきにトイレに駆け込む。これが健常者であれば、まだマシだろう。そうさ。僕は身体障害者。全身の筋肉痛と闘いながら、ましてや擦り傷も所々に負っている(見せられないよ)。肋間神経痛を疑う方の痛みも苦しかった。だが、これもまた地獄の所業よ。

昨晩、あんな事故が起こったぐらいだ。上腕二頭筋が重い。大腿四頭筋も。腹直筋も。腹の傷が痛々しい。あと、声が出にくい。ずばり言って、満身創痍。でも今夜は友人との食事を予定している。忙しい友人とのアポだ。お店も超人気で、当日キャンセルなんて憚れる。

 

 

集まったのは友人女性が2名と僕。今日はバレンタインデー。乾杯の前に、友人からプレゼントを貰う。嬉しい。ありがとう。でも、簡単な五文字さえ声にならない。何故不調なのか。昨晩の惨事を説明する。覚束ない声で。椅子から落ちたと解釈する友人たち。全然違うねん。

 

 

今日の僕には裏の目標があった。トイレに行かない。何故って。足が痛くて、立てないから。店内のトイレまでの距離よ。健常の頃は何とも無かったのに、今は超ツラい。連れが男なら肩を借りる。相手は女性だぜ。なので、お酒を2杯だけ。大食漢で成らした僕を見る友人よ。

信じられない事故が起こった。時刻は深夜帯。アルコールを飲み干して、あとはベッドで眠るだけ。部屋も暗い。PCの電源を落とす。刹那、バランスを崩す。上半身が、オフィスチェアの背もたれと肘置きの間に滑り落ちる。下半身は座面に乗っている状態。文章では再現が難儀。

 

 
あれからどれぐらい経ったのだろう。軽く見積もって、1時間は経過。腹直筋を用いて、姿勢を立て直す。足りない筋力は、両の上腕二頭筋と、大腿四頭筋も補って。ダメだ。あと一歩で力が出ない。抜け出す方法を模索する。アカン。腰が挟まって抜けない。前髪を濡らす汗。
 

 

スマホはベッドサイドのテーブルの上。どう足掻いても届かない。部屋の扉を開けておく。偶然、トイレに起きる親父か伯母を頼ろうとする算段。椅子の制作者は、まさかこんな利用法を想像などしないだろう。腰の接地面が痛む。何度も自力での生還を志す。筋力が足りない。

 

 

更に1時間は経過しただろうか。親父がトイレへと歩き出す。もう恥も外聞も捨てた。助けて。か細い声は、彼の耳元に確かに届いたようだ。もう寝なさい。ベッドへと寝かし付けられる。ちょっと姿勢が。あれ。今度は脇に伸びるポールとの間に挟まる。スマホで親父を再度頼る。

少しだけ遡るね。ありがとうございます。時は2月の前半。当時、原因不明の右肩痛に苦しんでいた。痛みは気持ちを引っ張る。本当にその通り。何もしたくない。早く寝よう。ところが、一向に眠気が来ない。患部が疼く。入眠に向く、映画とか何だろう。頭を空っぽにしてさ。

 

ベイビーわるきゅーれ

(内容紹介)

高校卒業を目前に控えた女子高生殺し屋2人組のちさととまひろ。組織に委託された人殺し以外、何もしてこなかった彼女たちは、高校を卒業したらオモテの顔として社会人をしなければならない現実を前に、途方に暮れていた。2人は組織からルームシェアを命じられ、コミュ障のまひろは、バイトもそつなくこなすちさとに嫉妬し、2人の仲も徐々に険悪となっていった。殺し屋の仕事は相変わらず忙しく、ヤクザから恨みを買ったことから面倒なことに巻き込まれてしまい……。

 

アクション映画かな。可愛い女の子が殺し屋とかやっていたら楽しいだろうな。女子高生とか。でも、トンデモ設定に負けない本編のクオリティを担保してあって欲しい。そんな作品、あるわけが無いだろう。あった。で、観た。見入った。眠気なんか来ない。肩が痛い。殺せ。