#引退を考えた瞬間 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

引退って、何を指す言葉だろうか。スポーツ。いやいや、僕はプロではない。結婚。いやいや、人生のゴールではない。となれば、やはり仕事だろう。国民の三大義務として、国が憲法に定めている。仕事って、今もしているじゃないかって。違うんだ。正社員としてのそれさ。

 

今はリモートワークに従事している。具体的には内緒。守秘義務契約を締結しているからね。機が熟せば打ち明けるかもね。違うんだよ。スーツに着替えて、通勤してさ。朝礼に参加して、一日8時間以上を勤労に費やして。仕事は人材ビジネス一筋。求職者と企業のマッチング。

 

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この病気は、真綿で首を絞められる。今この瞬間は大丈夫。だけど、絶望的な将来が待っているんだ。確定診断から2ヵ月半。睡眠障害によって、定時の出社さえ満足にできずにいた。会議中も上の空。パフォーマンスは絶望的。社長から呼ばれる。クビかな。腹を括る。違った。

 

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君の能力は知っている。それは疑いようがない。今は調子が悪いだけ。その理由も知っている。君は悪くない。悪くはないが、看過できない状況が続いてしまっている。社内が混乱している状況は、君も我慢できないはずだ。そこで、だ。配置換えを行う。新人教育を頼みたい。

 

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引退を考えた瞬間

 

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