爪切り | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

訪問介護ステーションから、月に一度、看護師さんがやって来る。以前は階段を自力で5階分上がらなければならず、申し訳なさが先行していた。最近は随分と気が楽。かと言えば、そうじゃない。今は声が出るか不安。リハビリの専門医は、毎週顔を合わせる。だがしかし。

 

看護師は月に一度。ましてや、複数人がローテーションしている。今回お見えになった看護師と、初めましての挨拶を交わす。体温や血圧、血中酸素濃度の確認の他、聴診器を胸に当てたり、看護師らしい問診がいくつも飛んでくる。短い返答なら大丈夫。咳き込みそうだが。

 

 

手足の爪を切ってもらう。甘えるな、と外野から罵声が飛びそうだ。機微な動きがしにくくなっている。看護師さんが褒めてくれる。「手の指、長くて綺麗ですね」。「土踏まずが立派で、流石スポーツマン」。ありがとうございます。嬉しいです。今は無用の長物ですけど。