だんだんどうも@京王堀之内 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

声を発する機会が欲しくて、だから実家に戻ったのだ。え。何を言っているのか分からないって。ふう。呑気な奴だな。いいか。発声も筋力を用いる。長らく歩かないでいると、歩行ができなくなる。歩き方を忘れたんじゃない。筋力が落ちるからだ。発声も同じことが言える。

 

だが、実家においても会話の回数は多くない。キャッチボールが少ないのだ。彼らの問いかけに、短い返事で答える。長く話すと、息が続かないから。咳が出る。疲れる。父や伯母も察する。だから、衰える。彼らに非は無い。悪いのは病気だ。進行性の特有の症状だよ畜生。

 

 

当然、進む症状に指を咥えて傍観している僕じゃない。仲間とカラオケに行くのも、友人と食事に行くのも、全ては闘病の為。リハビリだ。今月に入ってから、やっと一発目。いや。雨で流れに流れたんだよ。今日は大丈夫。天気予報は終日晴れ模様。お店は地元。店長は顔見知り。

 

 

年下の友人男性。彼とは社会人一年目(2社目)に現場で知り合った。彼は当時大学生。今はタクシーの運転手。家庭を持っている。こんなに楽しい時間なのに、リハビリの為だとか、何たる利己的な。外は大粒の雨が落ちてきた。会計を済ませる。彼がね。今日もありがとう。