神龍 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

変な夢を見た。女性の50人目だか100人目を抱いた翌朝。掛け布団から突然出てきた龍。そして眠気まなこの僕に呟く。「さあ。どんな願いでも叶えてやるぞ。言え」とね。脚も痛くない。発声の不自由もない。眩暈も無い。多分、僕の全盛期。悩みなんて。あ。あった――。

 

お金だ。当時、実入りは結構あった。恐らく、年齢から鑑みる当時の平均所得以上。しかし、それ以上に出費が嵩む。友人との交際費。趣味による持ち出し。枚挙に暇がない。いつもギリギリ。白状しよう。貯金が苦手だった。だから思った。お金に困らない生活って、いいよな。

 

 

シェンロンに願いを託す。お金の心配がいらない生活をしたい――と。それが今だよ。国民年金や健康保険などの毎月の徴収が免除されている。収入源は障害年金。あとはリモートワーク。収入は減ったが、支出はそれ以上に軽減された。でもね。あの頃に戻りたいよ。神龍。