歩行器か車椅子か | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

次回のPTリハビリ当日、電動車椅子WHILLが手配される。あくまで試乗で、即日のうちに返却されるのだが。理学療法士は、僕の病状の進行具合を危惧する。まだ歩行器でも大丈夫だが。今の運動機能がいつまで担保できるか分からない。半年後には、脚が出ないかもしれない。

 

 

日中のウォーキングにおいて、上と下の画像を見比べて欲しい。上は歩行器の導入前(2023年4月)、下は導入後(2023年6月)である。距離は半減。時間は据え置き。疲労感は倍増。数値が物語っている。確実に進行しているね。苦しんでいるのは僕だけではない。分かっている。

 


見比べて貰った画像より、下(上)の画像に無い公園の散策道。郊外の公園らしく、緑が多く、敷地も広い。が、僕の地元は坂が多い。この公園も例外ではない。杖歩行でも苦労したが、歩行器ではさらに苦戦。地面も整備された道になっていない。敬遠する理由、分かるかな。

 

 
週末は家族連れで賑わう近所を代表する公園。ジョギングに励んでいた健常時代、たまに内周していた。勿論、走ってだよ。今では信じられない。この公園を利用する理由の一つが、近くのドラッグストアへの抜け道だ。処方薬や、晩酌のお供を買いに訪れる為に、よく横断する。

 

 

だが、杖では通り抜けられた出口が、歩行器では不可ときた。そんな馬鹿なとお思いの貴方。上や下の写真を見て欲しい。恐らくバイクの乗り入れを禁止する為に設けられた柵だろう。電動車椅子ではとても無理だ。迂回路はある。健常者でも歩いて余計に10分は掛かるが。

 

 

頭を悩ませていたが、抜け道を発見した。小さな神社を経由する道。歩行器であれば抜けることに成功した。通り抜け、禁止で通り、抜けが知れ。という川柳をふと思い出す。禁止を謳っているわけではない。が、段差と言い、幅の狭いガード脇と言い、明らかに歓迎されていないね。

 

 

上と下の写真を見て欲しい。上の段差だが、分かりにくいが結構な高低差を感じる。恐らく段差に強いとされるWHILLでも無理なのではないか。加えて下の写真。歩行器ではギリギリの幅。ここを通り過ぎないと、件のドラッグストアに立ち寄ることができない。電動車椅子、不安。

 

 

僕の介護保険の認定では、残念ながら歩行器と電動車椅子の両方をレンタルすることができない。屋外において、どちらか一方を選び、使うことしかできないのだ。今の状態がずっと続くのであれば歩行器で十分だ。が、そうは問屋が卸さない。確実に進行する手前、いつかはね。

 

 

歩行器で十分だと再三書いたが、転倒のリスクは注意しなければならない。後輪に抑速ブレーキを搭載した、使いこなすのに体力を要するモデル。真っすぐ進むには、左右に平坦である必要がある。過去に読者様が投稿してくれたが、そんな道は稀だ。公園からの帰り道。怖いよ。