団欒2 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

愚痴を吐かしてもらっても良いだろうか。何だか虚しくなる。何で僕が。何で僕だけが、こんな辛い思いをしなくてはならない。虚無感。孤独感。こうした感情は、弟と再会した時に沸き起こる。母親の一周忌から数日。今度は末弟が帰省。綺麗な奥さんや、可愛い子供を従えてね。

 

始めに断っておく。敵愾心など持ってはいない。矢印が弟に向いているわけでもない。嫉妬ではない。僕にとっては、いつまでも可愛い弟である。成功は嬉しい。失敗しないで欲しい。でも、それとこれとは話は別。何で病気は僕を選んだ。何で僕だけが辛い思いをしないといけない。

 

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前の晩。仕事の付き合いから、弟がやらかした。気が強い義妹から激しく叱責され、団欒の夕飯シーンにおいて、お酒の本数を制限される彼。それを見て、我を想う。僕には大事にしなければいけない仕事付き合いも、養っていく大事な家族の存在もない。あるのは不自由な身体。
 
 
改めて断っておく。嫉妬ではない。いつまで経っても、弟は可愛い。義妹も甥も姪も愛おしい。彼らの帰省二日目。朝食を取って午前中。姪の誕生日を祝う為に近所のおもちゃ屋さんへ出向く。僕を除いてね。彼らなりの配慮。ウォーキングに出るけれど、脚が重くて動かないんだよ。