入院7日目 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

特別、活舌が良かったわけではない。イケメンボイスだなんて言われたこともない。ただ、弁が立った。あと、物怖じしなかった。それだけで、マイクを握る機会が多かった。会社の忘年会イベント。結婚式の二次会。人前で喋ることに慣れていた。今は昔の物語。おっとSTの時間だ。

 

入院7日目。朝、看護師から言われた。今日から単独行動OKです。院内であれば自由です。と。つまり付き添いに掛かる手間を省きたいって魂胆か。なんて悪口は言わない。これで、売店やWi-Fiフロアにも自由に行ける。検査やリハビリにしても同様だ。但し転倒に注意とのこと。

 

 
午前中から、言語聴覚室を訪れる。僕の担当に名乗りを上げてくれた女性ST。若いが、信頼できる。検査に舌の筋力チェック。JMS舌圧測定器を用いて5回のテスト。結果は平均24キロ。この数値、20~60代の男性の半数にも満たない。70歳以上の男性の数値より悪い。凹んだよ。
 
得意なことが苦手になる。それも急速にだ。かつての僕は、人前で雄弁に振る舞っていた。病状に悩む前だ。今は何だ。何もない。本当に司会進行役を買って出たのか。そこまで喋りに自信があったのか。信じられない。過去は美化されると言うが、本当にマイクを握っていたのか。


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