病魔はゆっくりと、しかし確実に僕の身体を蝕んでいく。短期的に観察しても、分からないかもしれない。そんなはずはない。歩き方を見てみてば、一目瞭然。明らかに健常者と異なる。話し方もそう。立ち振る舞いや表情筋から鑑みて、僕はもう過去の自分ではない。今を生きる。
前回の飲み会で、今夏の旅行が概ね決まった。その後、キャッシュリッチな男性友人が宿泊施設を選んでくれる。「富士グランヴィラ -TOKI-」。さすがはハイグレードなグランピング施設。だが僕も金余り。物欲も消費欲も失せかけて、有意義な時間の使い方を望んでいる。大歓迎。
朝9:30に、僕の住むマンション近くまで車で迎えに来てくれる友人を頼る。その後、西東京エリアで友人を次々にピックアップし、目指すは山梨県は河口湖畔。有名なそば屋で遅めのランチに舌鼓を打つ。近所のスーパーで食材を買い足して、現地に赴く。15:00のチェックイン。
グランピングとは、豪華なキャンプのような言葉遊び。宿泊施設は充実したそれである。1階はキッチンや食卓、あと寝室にトイレや風呂など。2階はトイレや風呂、寝室の他、大型スクリーンが併設されたシアタールーム。そして3階は、屋上テラス席へと続く。ここで食べて飲んで。
食材は施設側が用意してくれる。十分な量の肉や野菜。お酒も冷蔵庫の中の物なら飲み放題。更に持ち込んだ大量の肉やお酒を次々に消化していく。僕が持ち寄った「ほりにし」スパイスも活躍した。さて宴はまだまだ序盤戦。次は手持ち花火だ。童心に帰る。いつ以来だろうか。
仕上げは定番のカードゲーム「UNO」。時刻は間もなく日付を跨ぐ。普段ならとっくに寝ている時間だ。片手にUNO、片手にグラス(知多ハイボール)。記憶は曖昧。だけど仲間に囲まれて、この瞬間は不安が無い。この後、寝落ちする。多分、友人がベッドまで運んでくれたのだ。
明けて2日目。二日酔いに負けない気合と根性。昨日は楽しさと疲労感の割に、歩数は大幅に未達だった。今日のプランは富士山パノラマロープウェイからの山頂探索をした後、御殿場アウトレットを訪れる予定。避暑地らしく、涼しい気候。今日は歩く。不格好でもいいじゃない。