僕は身体障害者 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

区役所から連絡が入る。手帳の申請が承認されました。お手続きにいらして下さい。思っていたよりも早い。先々月の下旬に訪れてから暫く。仕事が休みの本日、午前中のうちに出掛ける準備。脚の付け根が強烈に痛む。今日は雨でも降るのだろうか。案の定、外は雲が重い。
 
難病を患ってから、葛藤の連続だった。健常者でもなく、障害者でもない。福祉サービスの隙間に落とされて、必死に人権を叫んでいた。透明人間になった気分で、僕の声が相手に伝わっているか自信が持てずにいた。それも今日で最後。9月1日。障害者手帳を手に入れた。
 

 

ただ別に嬉しいわけではない。あくまで、実生活や雇用面のセーフティーネットとして活用させてもらおう。本当はね。健常者になりたかった。その為に、あの炎天下を毎日歩き続けた。おかげで杖無し歩行も可能になった。それがどうした。難治性の病を抱え、今だって脚が痛い。