人生のゴール | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

Facebookでは、過去の投稿を振り返る機能があって、〇年前の今日の投稿ですと、充実した当時の写真や記事が出てくる。友人と飲み会を開催した記憶。同僚と研修旅行に赴いた記憶。交際相手と旅行に出掛けた記憶。何コレ前世か。本当に同じ人間の記憶か。残酷である。
 

 

33歳の初夏である。確定診断を受ける1年前、僕が転職した当時の会社員生活が僕の社会人生活史上最高のハイライト。正社員が僕の他に5名(社長含む)しかいない規模。しかしながら知る人ぞ知るブランドを誇る。入社して3週間で、上半期の達成を祝う研修旅行に参加する。

 

 

人材紹介という参入障壁の低いサービスに、高付加価値を付与するには、高品質なサービスを追求すべし。そのヒントを得るべく、訪れたホテルは「ハイアットリージェンシー箱根リゾート&スパ」である。ホスピタリティの高さを味わう。一流を知るには、一流に触れること。なるほど。

 

 

仕事を通じて得られる成功体験や人間関係を、僕は大事にしてきた。前のめりで取り組むと、給与以上の何かを得られる。仕事上がりに飲む同僚とのビールが、最高に美味しかった。このメンバーが核となり、その後の組織の拡大、市場における占有率を上げていく。超楽しい。

 

 
この当時の臨場感を取り戻すことが、僕の生きる目標。その為には、経済力を失ってはいけない。体力や気力が一時的に衰えるのは仕方ない。間違ってはいけないのは、病気を治すのが人生のゴールではないのだ。目的でなく手段。その先に、僕のゴールがある。間に合うか。