11回目のデート | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

先月初旬にお会いして以来の戸田さん(仮称)。そもそもの出会いはマッチングアプリ。彼女を含め、実に24人の女性とお会いした。その殆どが、病気を打ち明けると音信不通になる。彼女は違う。応援してくれる。真摯に話を聞いてくれる。彼女もまた、相当な努力を積んでいる。
 
前回まで、デート先は大抵が新宿だった。今回は異なる。阿佐ヶ谷。友人である店主と戸田さんが同郷だと知って、「mako‐ya」を提案してみた。快諾いただく。19:30に阿佐ヶ谷駅で待ち合わせ。無事に合流。お店へ向かう。最近、歩きながら喋ると、声が出にくい。目が回って困る。
 
 
カウンター席は、いつも常連さんで賑やか。戸田さん、店主と同じ市内に住んでいたこともあり、打ち解けるまで時間を必要としなかった。帰り際、お店から地上階に降りる階段で、手を貸してくれた。介助的な意味でね。手を繋いで歩く。この瞬間が、永遠に続けば良いのに――。