Mace池袋で同僚の退職祝い | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

今、仕事が物凄く忙しい。降りかかる案件の全てに全力投球していると、体がいくつあっても足りない。ましてや僕は難病患者。フルタイムでもないのに、仕事量が半端ないって。上司が優先順位をつけるよう指示する。見かねたチームメイトもサポートを申し出る。ありがたい。
 
今日は仕事上がりにお酒に誘われていた。同僚の退職祝いである。職場の近くのレンタルスペース「Mace池袋」にて、20時より乾杯と聞いていた。主役となる同僚は、4年前の僕の同期。その後、事業を牽引した立役者。人望もあり、仕事も超一流。はっきり言って、超寂しい。
 

 

業務を時間内に片付ける。乾杯に間に合わせる。当たり前のそれが叶わないぐらいに忙殺されている。1時間遅れで駆け付けるも、場所が分からず辺りを周回。最近、太ももが重い。常に乳酸が溜まっているような感覚。これも病状だろう。焦りと不安に汗を拭うと、仲間を発見。

 

懐かしい退職組との再会に、以前の躍動感を思い出す。今は親会社の人事として、平静を装っている。抑圧していた何かが弾かれ、子供のようにはしゃいでしまった。こうなると心配なのが酔いである。しかし幸か不幸か、冷蔵庫の中の酒類も、殆ど無くなっていた。

 

 
入社二年目の新卒女子がいる。今月から配置転換されていた。理由を探ると、僕と同様、病気を発症した為だった。ロールモデルになれるかもと、二人っきりで話をした。君の涙は、悲しいからか嬉しいからか。絶望の淵から抜け出せたのは、仕事と組織に拠るところが大きい。