数時間後のパーティーで、初めて顔を合わせる若い女性。
転職したばかりだと言うので、苦労話を聞いてみる。
面接って緊張しますねって笑いかけるものだから、同調してみる。
ごめん、嘘をついた。全然、緊張なんてしない。
転職エージェントとして、もしくはヘッドハンターとして。
これまで、数多くの面接を調整し、同席してきた自負がある。
不慣れな求職者や採用担当に、面接スクリプトを作ってきた。
どんなことを聞かれるか、それに対する模範解答も頭の中にある。
面接で緊張しなくなったのは、ある種の達観の域に達したからか。
難病を明かすと、どんなに良い印象を与えても、最後は不採用通知。
相手に期待しないと、どれだけ楽だろう。
採用面接なんて、呼ばれたから行くだけのルーティーンである。
事前のメールのやり取りで、難病を罹患しているが、と明かす。
それに対する前向きなメッセージが決め手となり、当日を迎える。
出てきたのは、僕より一回り年上の採用担当役員の男性。
病気に対する無知をお詫びいただき、面接がスタートする。
あれ、……久しぶりに緊張する。
