凍 | Poco a poco -難病と生きる-

Poco a poco -難病と生きる-

スペイン語の「poco a poco」は、日本語では「少しずつ」「ゆっくりゆっくり」という意味です。遺伝性による難病、脊髄小脳変性症を患っていると診断された2015年7月(当時34歳)以降、少しずつ身体が動かなくなる恐怖と闘いながら、今日を生きる僕の日記です。恐縮です。

今年の目標の一つである、富士登山の日程を確定させた。標高3776Mは未知の領域である。これまでの最高到達地点は金峰山の2596M。最後に登った山は1531Mの三頭山。ちなみに高尾山は600Mに満たない。遭難や滑落事故が多いのも頷ける、流石は日本一高い山である。片山右京らが遭難事故に遭い、仲間2名が亡くなったのは記憶に新しい。


ところで、登山はスポーツか。行楽なのだろうか。山で事故が起きる度、彼らを「無謀」や「命知らず」だと非難する声が聞かれる。山登りにも細かく分類され、例えばクライミングは前者、トレッキングは後者であろう。また、クライミングであってもバリエーションルートか、ノーマルルートか。もしくはアルパインスタイルか、極地法か。まだまだ奥が深い。


凍 (新潮文庫)/沢木 耕太郎
(内容紹介)
最強のクライマーとの呼び声も高い山野井泰史。世界的名声を得ながら、ストイックなほど厳しい登山を続けている彼が選んだのは、ヒマラヤの難峰ギャチュンカンだった。だが彼は、妻とともにその美しい氷壁に挑み始めたとき、二人を待ち受ける壮絶な闘いの結末を知るはずもなかった―。絶望的状況下、究極の選択。鮮かに浮かび上がる奇跡の登山行と人間の絆、ノンフィクションの極北。講談社ノンフィクション賞受賞。


舞台となった過酷な山「ギャチュンカン」の標高は7952M。富士山の2倍以上である。常人には到底、理解が及ばない世界だろう。実在するクライマーが抱く、未踏のルートを開拓することへの挑戦精神。富や名声ではなく、単純に山が好きという精神構造。そんな彼らが死と向き合う絶望の世界。彼らの覚悟の何たるものか。全てが新鮮に感じられた。