友人から薦められ、貸してもらった本を読み終えた。
タイトルや表紙のデザインから、あまり期待していなかったが、読んでみると面白い。
とても良かった。後味も良かった。読み終えた直後、本の持ち主である友人に電話してしまったぐらい、そのぐらい良かった。
主人公は28歳のサラリーマン。大手広告代理店勤務時代に上司をぶん殴り、無職期間に同棲中の彼女に逃げれ、老舗の食品会社に販促担当として入社するも、問題を起こしてすぐに左遷され、クレーム対応のセクションに回される。ここで出会う強烈なキャラクターの同僚たちと、何だそりゃなクレーマーと対峙していきながら、斜に構えていた主人公の心境に変化が生まれる。古い体質の会社に呆れ、気まぐれな彼女(失踪中)に悩み、今の自分を見つめては嘆きながら、それでも目の前の仕事と向き合いながら生きていく主人公の心理にリンクする。
著者のテクニックであろう、軽快でユーモラスなタッチで描かれる主人公の心理描写や数々の事件、灰汁の強いサブキャラクターの人物設定や、話の展開なんか、もうこれは久しぶりに興奮を覚える完成度の作品だったよ。自信を持ってお薦めできるよ。本当に、とても良かったんだから。
