コーヒーで人をとびっきり幸せにすることは極端に難しい。そもそも幸せの定義は人によって違うのにこの話をすること自体無理があるが聞いてください。

 

物質的幸せ。お金、役職、地位、所有物。目に見えない幸せ。愛、満足、喜び、安心感、リラックス。少なからずたくさんの幸せのパターンがあるでしょう。僕はこれらの幸せをコーヒー1杯で補えるとは言い切れない。しかしその人にとってほんの小さな幸せを生むことは容易だと考えます。バリスタの仕事はそんな小さな幸せをたくさん生むことだからです。「上司に嫌なこと言われた。」「商談がうまく行かなかった。」「いいアイデアが生まれず焦っている。」少し先を見据えたら大したことでは無いのに、人ってその場ではオーバーテイク気味に捉えてしまうことってありますよね。意外とほんの一握りの悩みだったりしませんか。

 

そんな時にカフェに行くのをお勧めします。コーヒーを買ってバリスタにぶちまけてはいかがですか?コーヒをじゃないよ。悩みをね。あなたの愚痴や怒りやフラストレーションを和らげるのはバリスタやコーヒーが助けてくれますよ。これほんとです。それによってミスった商談が復活するわけでもなければ、嫌な上司が異動するわけでもなく、残酷なことに現実は変わらないけど、あなたの話を聞いてきれるバリスタがきっといるはず。バリスタはソーシャルワーカーだから。あなたは1人じゃないって教えてくれるはず。まっすぐ家に帰るよりも少しほっこりして、少しシャキッとして家に帰れるはず。そんなあなたは明日からも頑張れる。

 

僕らがやってることは、さっき言ったほんの一握りの悩みくらいは吹き飛ばせるくらいの小さな幸せをたくさん生む仕事です。家族や友人に言えない時はバリスタを頼りましょう。

⚠︎嫌なことがあったからってバリスタに八つ当たりしちゃダメだよ。

最近はあったかくなりましたね。今日もコーヒー日和です。

 

さて今日はバリスタのこととは少し離れますが自分が尊敬するバリスタの師匠ともいえるKさんから仰って頂いた言葉についてお話しします。

 

「人間 傲ったら負けだぞ」

 

Kさんは代々木八幡でコーヒースタンドを営まれてます。出会いこそ去年ですがお互いどこか似ているところを感じ、職場は違ど今も深くかかわらせて頂いております。

たまにメシ連れてって頂いたり、けつの青い俺を叱咤激励してくださったりと本当にお世話になりっぱなしで。

 

そんな師匠のKさんに出会うまで僕は、自分に自信を持ちながらも少し慢心していたような気がします。自分で言うのもなんですが、「クソガキ」でした。笑

自分が一番イケてるって思っていたんです。ですがKさんと出会った時に初めて「この人ヤバすぎる。」と感じ初めてこの人を超えなきゃいけないと思いました。実際にKさんのお人柄や、お店に関しては本当に「隙がない」です。お店に集まる人も皆いい人で、イケてる空間が出来上がっています。超えるべき目標となる人ができた喜びと共に、初めてプライドや自信をへし折られました。それは仕事に対する技術面やバリスタという職業に対する根本を改めて学ぶリスタートとなる出来事だったのです。

 

その日もKさんとメシに行き帰り際にこんな話をしてくれました。

あるキーホルダーを見せてくれて、「これさうちの常連さんがニューヨーク土産でくれたんだよね。」と言いました。そこには猿のグラフィックと共に You still suck の文字が。直訳すると お前はまだカスだ って感じかな。その常連さんと言うのは某アパレルブランドの日本社長で、よくコーヒーを買いに来るそうだがものすごく丁寧で腰の低い方だと言う。社長はその土産を渡しながらKさんに「人間 驕ったら負けなんですよ。」とおっしゃられたそうです。その言葉は、誰しもが人に言える言葉ではないと思います。けど僕はその日Kさんにその話をされたときに帰りの電車で静かに反省していました。やはりKさんに会う前の僕自身は傲り昂ったクソガキだったからです。その日も僕はマネージャーと大喧嘩。自分は間違っていないとはいえ反省すべき態度でした。

 

You still suck

また僕の中に大切な言葉が増えた瞬間の話でした。

 

こんにちは。

 

今日はバリスタやってるとよく聞かれる質問を抜粋して勝手にお答えします。

 

Q.バリスタって資格とかいるの?

 

A.いらないです。

正直名乗ったもん勝ち的なところはあります。コーヒー淹れたその日からバリスタなのか。お客さんに出したその日からバリスタなのか。その人の基準によるところはありますが、とことん突き詰めていくものなので正直資格とかはいらないんじゃ無いかな。

学校で教わるものでも無いし。名乗った以上は本気でやらないとある意味資格ないなって感じです。

 

Q.最初はどこで始めた?

 

A.新宿のVERVE COFFEE ROASTERSというコーヒースタンドです。

前記でも書きましたがアメリカ帰りにルーツやバックボーンがマッチしたので選びました。土地柄忙しく目まぐるしくも、外国人のインバウンドも多くいろいろな貴重な経験をさせていただきました。シングルオリジンのコーヒーを多数種類にわたり扱い、かつ自分のバリスタとしてのイズムやこだわりが明確になった場所です。

最初はけつに火つけてでも忙しい店で働くのがいいと思います。頭、体、神経を毎日フルにかつ効率よく稼働させれば楽しくできますよ。

 

Q.お金稼げなくない?

 

A.はい笑

まあこれに関してはどこを基準に考えるかによりますが、とてもリッチになれる職業ではないと思います。安定は無いしハードワークだし。

ただ、僕らはお金以上に目に見えない価値を生んでいるんです。綺麗事に聞こえますかね。簡単に考えれば嬉しさや暖かさ、気持ちのスイッチの切替、人と人との出会い、思いやり、人間味。言い出したらキリないですがこれらは目に見えないものですがこれらを作り出すために、これらを作り出したいが為に1杯の最高のコーヒーを通じてその延長でお金をいただいてるだけです。

特にこのコロナ渦中やこの先の時代は特に、あの人に会いたい等、目に見えない価値を生み出せる「魅力」が何をする上でも大事になってくるなって思います。

 

Q.バリスタをする上で気をつけていることは?

 

A.自分のスタイルを表現しつつもエゴを押し付けないこと

俺らしさというのは何においても大事にしていて生きていますが、自分のエゴは押し付けないことは同じくらい大事です。

たまにいるんです。ネットで調べりゃわかるような知識ひけらかしてマウント取ってくるやつ。だせえす。知識を元に説明するのも大事ですが、もっと大事なのは、もらい手の感受性をくすぐる程度の程よい距離感。懐に土足でズカズカ入るようなことは決してしてはいけない。「このコーヒーは〜で〜なんです。そんなことより今週末何するんすか?」的なね。

 

第一弾これで終わり。またやります。

今回お話しするのは「カッコつける」と言うこと。これは前髪をくりくりして整える、とか言うカッコつけではないのでご了承ください。

このカッコつけると言うことはバリスタにとって大事な要素になってくるんですよね。自分がコーヒーを淹れる2~5分の間に、もらい手をいかに楽しませるか。ここが重要です。自分の自慰行為的なカッコつけは「イキり」になってしまうのでご注意を。

所作、会話、気遣い、様々なポイントでカッコつけることが重要になります。

それによって何が生まれるか。

 

それは実にシンプルで「うわー。カッケー。」ってなる。え?それだけ?って思った方はここが重要です。

「カッコいいバリスタのコーヒーは間違いなく美味い」

これは俺の統計上間違いないです。この人カッケーんだけどコーヒーまずいんだよなぁ。って人は今まであったことないです。

なんでか。

 

カッコつける過程で相当気を使って神経尖らせて自分を表現して自己反省を繰り返してってやってるからだと思います。そんな人が淹れるコーヒーがまずい訳がない。掃除めっちゃ得意な人が自分の部屋だけ汚いとかあんまなくないすか?自分もよくバリスタをする上で「カッコつけることが大事」って人によく言います。

自分はまだまだだけど、他の先輩等や海外のイケてるバリスタたちをみてかっこいいなって思わされた以上、俺もそこに拘りたいってなっちゃったっすね。

例えば「コンビニの¥100コーヒーを使って美味しく魅せてください選手権」が開催されたとしたら。自分がお世話になってる先輩は間違いなく上位ランカー。俺は健闘賞くらいもらえるかな。

つまり何気ない数百円のコーヒーが美味しく見えてしまうんです。実際うまいんでさらにうまく感じちゃう。最高じゃん。

 

このカッコつけると言うことは国分寺にあるコーヒーの先輩バリスタから教わりました。バリスタを始める時も、悩んだ時もめちゃ相談に乗ってもらい、カッコつけることの大事さをさらに教わりました。複雑かつ繊細なシングルオリジンのコーヒーを直焙煎してコーヒーを提供する。かと言ってコーヒーの知識を押し付けることなく丁寧に教えてくれるし、感覚が合うから相談にも的確に答えてくれる。「俺らみたいな人間はカッコつけることが大事なんだよ」って。

 

なんでこの話をしたか。今度皆さんがいつものコーヒーやさんに行った時、そこのバリスタがどんな感じでコーヒー淹れてるか。に注目してみて欲しいからです。また違った感覚で楽しめるしいつもより美味しく感じるかも。バリスタに話しかけるのもありかもしれません。

俺含めよく「話しかけづらい」って言われるんすけど、俺ら会話大好きなんで☺️

見た目怖い人ほど優しかったりするんで是非話しかけたり会話を楽しんでみてください。

さて今回は「かっこいいバリスタ」は何かについて書きたいと思います。

 

「かっこいい」って言葉はあまりに抽象的で、「お前のかっこいいの基準知らねえよ。」ってなるかもしれませんが、僕の観点からいうイケてるバリスタについて書きます。

 

僕の周りには幸いにもかっこいいバリスタさんがいっぱいいます。みんなイケてる先輩で、その人たちのコーヒーしか飲む気になれません。

早くも上記でズバリ言ってしまいましたがかっこいいバリスタとは「会いにいきたくなる人」「自分にポジティヴな影響を与えてくれる人」だと思います。

 

Cakifornia,Venice beachにMenotti'sというコーヒーショップがあります。俺はそこのバリスタ全員がかっこいいと思います。いつ行っても変わらないスタンスで、気取ってなく、接客もクール。バリスタも客も関係なしに楽しそうに話して、かたや自分の時間を大切にしている客もいて。バリスタなんか自分の好きな曲が流れたら勝手に音量上げて歌ってました。特に愛想良くするわけではないけど喋ると気さくで。特に知らないで入ったけど、その日以来帰国日まで毎日通ってました。後で調べたら日本でも知ってる人も多い有名店。さすが。

俺がバリスタ絶対やろうってきっかけくれた店なんですけど、今でもそこは僕のかっこいいの原点な気がします。

California行った際はぜひ。Fuck covid。

 

コーヒーってもちろんのもちろんクオリティが大事だし、文明の発展とともに今じゃサードウェーブやフォースウェーブっていう流れでどんどん美味しいコーヒーが流通しているし。元々働いていたところもシングルオリジンを扱うロースタリーのカフェでしたので僕もそれなりにはやってきました。

ただ、美味しいコーヒーを淹れるのは当たり前なんですよね。大事なのってそれ以外の部分。バリスタでありながら〜の部分。

自分のスタイルをコーヒー1杯を通して表現し続ける人。そんな人がカッコ良くてイケてるバリスタだと思います。

 

だって俺らはヲタクじゃないんだから。

 

こんにちは。

 

今回はバリスタについて僕の経験談や持論をもとに書かせていただきます。

 

バリスタというと、「かっこいい」や「コーヒー淹れる人だ」などよく言われます。

間違ってないんすけど、聞こえの割には地味で泥臭い仕事なんです。

朝早いし、ハードワークだし、頭使うし、何より神経使う。

どの仕事もそうかもしれませんが。

 

ただここで大事なのは、プレイヤー視点で言うと「何を正義としてバリスタをやるか」が大事になってきます。

自分の中の譲れない部分や拘りを表現しスタイルとして確立するのがバリスタには大事になってきます。

はっきり言って、特別資格を得れないとできない仕事というわけではないので誰でもできると言われますが実は誰にでもできる仕事ではありません。

前回言ったように、だからこそ本気で気合い入れてやらないと捲られるしフェイクがバレるっすね。

コーヒー注文して待っている間の時間から帰るまで如何に楽しんでもらえるか。空間、音楽、会話、色々な要素のポイントを常に気を張って演出しています。どれでも手抜けないし気抜けない。それが好きでやってるんだから手抜く理由なけど。

 

あとはサービス面において。

割と「どのお客様にも平等に心地よいサービスを。」という風習の多くみられる百貨店スタイルの接客やサービスはよくみられますよね。これに関しては賛否両論あるし僕としてはどうでもいいんですが、僕は基本サービスはお客様によって分けます。

例えば

「コーヒー。」「ホットコーヒーひとつ。」という注文の仕方する人や「ありがとう。」が言えない人。はっきり言って「go fuck yourself」です。友達じゃないし、奴隷じゃないんだから。

サービスは人と人との間にリスペクトがあってのものなので。僕はそういう人には50%くらいしかサービスしません。それよりも良くしてくれてる人や常連さんに150%のサービスをします。そっちの方が手取り早いし自分も相手も楽じゃないかと。

逆にいうと平均単価¥400~¥700の中でどれだけお客さんを楽しませれるか勝負みたいなことをやってます。

 

あと、僕が大事にしているのは、「バリスタは主演役者になってはいけない、それよりも主役を最高に引き立てる最高の助演役者になるべきだ。」ということ。この映画のこのワンシーンに出てくるこの人めっちゃイケてるよな!っていう存在になるべきだと思います。スターウォーズで言うミレニアムファルコン的な。

だから自分大好き、自分かわいいこちゃんにできる仕事ではないですね。ダサいと思います。

 

長くなりましたが要は自分の信念持ってスタイル出してやれよって話です。

じゃなかったらバリスタ辞めた方がいい。だってコンビニのコーヒーマシーンと変わらないから。

 

 

初めまして

東京都内でバリスタという仕事をしています。Keisukeと申します。

インスタグラム等手軽に自分の思いを発信することができるツールが多い中、あえてこのタイミングでブログを始めてみました。

 

バリスタという仕事というか自分の生き方を通して思ったことをリアルに発信していきたいと思います。

 

初回は僕の簡単な自己紹介から。

 

今年23になる僕は19,20くらいの頃からバリスタをしています。

きっかけはアメリカはカリフォルニアに1ヶ月旅をした時です。元々やんわりとバリスタっていいかもという気持ちでいろんなコーヒーショップに行ったりはしてました。ただ昔からカリフォルニアのカルチャーに興味があり、お世話になっていた周りの先輩もそっち系だったので僕がCalを旅するのは必然だったかもしれません。

なので当然向こうでもコーヒー屋に行き着くしました。あまり手持ちもなかった中、向こうのコーヒーはチップ込みで700~750円くらいのコーヒーをたくさん飲み尽くしました。時にはコーヒー代を残すために1日1食だけの日もあったり。

大袈裟にいうとNo pain no gainです。

 

その甲斐あってたくさんのことを吸収できました。向こうのバリスタってとにかくイケてるんすよね。佇まいや話し方、魅せ方。あまり口でいって伝わりづらい要素なので難しいですがとにかく『イケてる』。

以来、根本的に物事の判断がイケてるかイケてないか、になってしまった僕は帰国後すぐにバリスタとしてのキャリアをスタートさせました。

やたらと物事を追及する時、バックボーンやカルチャーをディぐり尽くしてしまう癖がある僕は日本での自分の職場選びも、当然カリフォルニアがバックボーンにある会社を探しました。ある会社を見つけそこでキャリアをスタートさせたのです。

 

元々理論派ではない僕なので生意気いいますがバリスタって、誰でもできる仕事に見えますが誰でもできる仕事じゃないんですよね。というか自分のスタイル持って本気でやってないとフェイクは捲られるし、スタイル出して本気でやってないとコーヒーメーカーと一緒っす。ありがたいことにいろいろな先輩と関わらせていただいてるので、周りには本気でリアルな先輩ばかりなので、僕も負けじとかましていきたいなと思います。

 

次回からはバリスタのあれこれ書いていこうと思います。

宜しく御願いします。