"忘れられないひとこと"が生まれる理由 | わくわく海賊団

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夕焼け空とビル、木々

 

「忘れられないひとこと」というのは、

 きっとだれしもあると思います。

 

 しかし、ずっと不思議に思っていました。

 

 おぼえていることばと、

 忘れてしまっていることばの境界線は、

 いったいなんなんだろうか、と。

 

 あのとき、あの場所で、

 あの人が話していたことばに、

 たしかに、こころ動いたはずなのに、

 なぜだろう、忘れてしまっている。

 

 記憶力の問題なのか、感受性の問題なのか、

 それとも別のところに問題があるのか。

 

 いろいろ考えてみて思ったのが、

「もともとじぶんのなかにあったことば」が、

「忘れられないひとこと」として、

 残るんじゃないかということです。

 

 たとえばだれかが、

「努力は好きに勝てない」と言ったとします。

 

 そんなこと

 考えたこともなかったじぶんは、

「すごい!」「真理だ!」と驚きます。

 そして「忘れられないひとこと」になる。

 

 でも、そこで驚いているじぶんは、

 きっとすでに「努力は好きに勝てない」と

 どこかで思ってたんじゃないでしょうか。

 

 まだうまくことばにできず、

 もやもやのなかにいたけれど、

 そのことばと出会う瞬間を待っていた。

 だから、驚いたんじゃないでしょうか。

 

 もしそうだとしたら、

「忘れられないひとこと」というのは、

 記憶力の問題でも感受性の問題でもなく、

 驚く準備ができていないだけ、

 ということになります。

 

 そして驚く準備とは、

 じぶんひとりで考える、

 答えの出しようがない

 もどかしい時間です。

 

 なにを忘れ、

 なにをおぼえておくかについて、

 ぼくらに選択権はありません。

 

 なんていうかそれはもう、

 その人の生き方みたいなものだと思います。

 

 今日も「わくわく海賊団」に来てくださってありがとうございます。

 

 じぶんのなかにあったもやもやが、

 なにかのきっかけで言語化された瞬間、

 忘れられないひとことになるのかも。