「晴れ舞台」とか、
「舞台に上がる」とか、
「生の舞台を経験しなさい」とか、
よく使われることばです。
舞台というのは、
文字通り「舞う台(踊る場所)」です。
舞台は、いつでも
目の前にあるとはかぎりません。
その数はかぎられていて、
抽選だとか、競争だとか、奪い合いだとか、
上がれない人のほうが圧倒的に多い…
そういう仕組みが「舞台」です。
さらに、舞台というのは、
ひとりでは運営できませんから、
かならず支える人たちがいます。
そして、そこですでに踊っている人がいる。
そこには、その舞台なりの
ルールや価値観が存在しています。
ですから、たとえば新人が現れて、
「その舞台は気に入らないけど踊ってやる」
みたいなことを言っていたとしても、
認められないのは自然なことです。
新しい人の舞台がないのは、
あたりまえなのかもしれません。
だからこそ大事なことは、
じぶんの舞台をつくることかもしれない。
いまある舞台に
立てなかったひとたちが、
空いている場所を見つけて、
小さな舞台を立ち上げて舞い続ける。
最初は観客なんていなくても、
やがて少しずつ集まってきます。
そうして次の時代の
「舞台」になっていくことだってあると思う。
いま「伝統」と呼ばれている舞台も、
最初は新参者の挑戦だったはずなんです。
昔は「そんなのは舞台じゃない!」と
見下されている時代もありました。
それが時を経て、次の世代では
なくてはならない舞台に変わっていった。
社会だって同じだと思います。
古い価値観でつくられた舞台は、
やがて次の価値観の舞台に交替します。
古い舞台が完全に消えたわけじゃなく、
受け継がれたり並び立ったりもします。
そしてときには、舞台から舞台へと
移動したりする人もいるでしょう。
人生もまた、
いくつもの舞台を渡り歩く航海です。
どの舞台に立つか、どんな舞を踊るか。
それを選び、たのしむ自由が、
ぼくらにはきっとある。
今日も「わくわく海賊団」に来てくださってありがとうございます。
歌舞伎の舞台の人が、
テレビや映画で大活躍することって、
特別すごいことなのかもしれない。