〈のに〉という、クセモノ。 | わくわく海賊団

わくわく海賊団

Compass of Your WakuWaku

 

 

 歌うことが好きな人がいて、

 じぶんの家で歌を歌っています。

 

 好きこそものの上手なれで、

 素敵な歌声が聞こえてくるとします。

 近所の人も「上手ですね」と

 ほめてくれるものだから自信がついて

 四六時中、窓を開けて歌います。

 

 そうなると、もう、近所迷惑です。

 

 じぶんが好きなことをして、

 だれかにほめてもらおうなんて

 欲張りすぎなのかもしれない。

 

 近所迷惑を自覚しつつ、

 それでもやってしまう好きなこと…。

 それくらいの感覚がいいのかな。

 

「いいこと」をするのが

 好きな人っていうのもいます。

 

「いいこと」「ただしいこと」を

 しているのだからと窓を全開にして

 四六時中、やっているんです。

 

「いいこと」を好きでしている人は、

「いいこと」「ただしいこと」だから

 近所迷惑になるなんて思っていない。

 

 そうすると、ヤツが出てきます。

〈のに〉という、クセモノです…。

 

 してあげている〈のに〉。

 やってあげている〈のに〉。

 

「いいこと」「ただしいこと」と、

「してあげている」の組み合わせは

 ジャイアンのリサイタルといっしょで

 まさに近所迷惑なんじゃないかな。

 される側も、断りにくいですしね。

 

 以前、ボランティアに参加したとき、

 主催者の方がこんな話をしてました。

 

「やってあげている、来てあげている、

 少しでもそんなふうに思っている人は

 迷惑なので、すぐに帰ってください。

 ボランティアは好きでやることで、

 賞賛に値しないことを忘れずに。」

 

 それを聞いて怒った人もいたけれど、

〈のに〉があるボランティアでは

 逆効果になる可能性が高いそうです。

 

 いいことをしているときも、

 好きなことをしているときも、

 近所迷惑を自覚しつつやるのが、

 いちばん、いいんだろうな。

 

「じぶんはいいことをしている」なんて

 胸を張って言うもんじゃないなぁ。

 

 今日も、「わくわく海賊団」にきてくださってありがとうございます。

 

「好きなことをさせていただいて」の

〈うしろめたさ〉が、海賊です。