「わくわく未来予想図」~5~
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完全自動運転の車の登場は、
そう遠くない未来だといわれております。
じつは、技術的な部分は、
もうほとんど完成しているという人もいます。
人間が運転するよりも本当に安全なの?
機械トラブルの心配は?
暴走することは本当にないの?
現在、完全自動運転開発において大きな壁になっているのは、
そういう技術的な問題ではなくて、
倫理的問題だというんです。
「トロッコ問題」というやつです。
線路を走るトロッコが制御不能になってしまい、
止まることができない状態です。
線路の先には、5人の作業員が作業中であり、
このままでは5人が死んでしまいます。
しかし、線路は分岐しており、
ポイントで切り変えることで5人を救うことができます。
ですが、切り変えた先には、1人の作業員が作業しています。
この状況下で、分岐ポイントにいる人が、
「進路を変えずに1人を助けるために、5人を死なせてしまう」か、
「5人を救うために進路を変えて、1人を死なせてしまう」か、
そのどちらかを選ぶわけです。
つまり、「5人を救うために1人を殺してもよいか?」
というのが、トロッコ問題です。
この道徳的ジレンマが、
完全自動運転開発の大きな壁になっているというんです。
たとえば、車に同乗者を乗せて運転中に、
車が制御不能になってしまったとします。
前方には園児の列があり、このままでは突っ込んでしまいます。
園児の集団を避けると、車ごと崖から転落して
運転手と同乗者を死なせてしまう状況の場合、
運転手は園児の列を救うのか、
それとも、じぶんを含めた2人の命を救うのか、
選ばなくてはいけないわけです。
人間が運転している場合は、道徳心や一瞬の判断力など、
さまざまな要素が複雑に絡み合うわけですが、
完全自動運転の場合は、それをプログラミングしなくてはいけないわけで。
完全自動運転のためのトロッコ問題に取り組み研究チームの調査では、
多くの人が「多くの命を救うために少数の犠牲はやむおえない」
を選択したといいます。けれど、その人たちは、
「じぶんはその車を運転したいとは思わない」という矛盾した結果が出たそうです。
今日も、「わくわく海賊団」にきてくださってありがとうございます。
この問題、みなさんはどう思いますか?