なぜ効率が良いとつまらなくなるのか?無駄がたのしい理由 | わくわく海賊団

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 キリンのオスは、メスのおしっこを舐めるそうです。
 メスのおしっこを舐めることで、
 メスに繁殖の意思があるかを確認しているんだそうです。
 意思がなければ、アプローチしても無駄に終わってしまうので、
 他のメスを探します。

 ちなみに、人間はこれと同じことを、
 唾液で確認しているといわれています。つまり、キスですね。

 人間も動物も、子孫を残すために身体に備わった生体機能は似ているけれど、
 決定的にちがうことは、動物は、無駄なことをあんまりしないんだそうです。

 無駄なことをあまりしない。
 なんだか人間が好きそうな、ことばの響きです。
 
 効率よく働こう。無駄を省こう。最短距離で行こう。時間短縮。

 おもしろいと思いました。
 人間と動物のちがいに、無駄なことをするか、しないか、があるんです。
 人間だけが、無駄なことをする。

 栄養をとることが目的なら、食べるという行為のみが効率的です。
 食事をたのしむ必要なんてないはずです。
 自然界からすれば、たのしい食事や料理は無駄といえます。
 
 子孫を残すことが目的なら、交尾のみが効率的です。
 恋をする必要なんてないはずです。自然界からすれば、恋は無駄といえます。

 でも、その無駄こそが、人間らしい行為です。
 音をたのしむ音楽も、芸術はすべて無駄なことから生まれました。
 ということは、効率を求めて、無駄を省いて、最短距離で行きたがる方法は、
 人間らしさとは、反対の行為なのかもしれないな、と。

 いや、そこまで言い切ったらまずいかな。
 人間のつくったものは、直線(最短距離)であふれているわけで、
 ビルも橋も、直線がなければ完成しません。
 直線(最短距離)を発見して、そこに最大の効率を見出したのは、
 人間だからこそできたことだと思います。

 ただ、生き方までも最短距離っていうのは、
 やっぱりつまらないと思うんです。
 それに、人間が「おもしろい」と思うものって、
 ほとんどが無駄なことの中に隠れているような気がしています。
 
 今日もわくわく海賊団にきてくださってありがとうございます。

 旅のたのしみは、よりみち。

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