「成城学園⑵ 成城学園の育ち」第六章 無宗教系附属編(44) | 幼児受験プランナー 島村美輝のブログ

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国公立や私立の有名幼稚園や小学校に合格するためには幼児教室選びがきわめて重要です。受験界の裏も表も知り尽くし、有名幼稚園や小学校に豊富な人脈を持つ東京・麹町の「慶進会」塾長島村美輝が、合格するためのノウハウをお話します。

連載 幼稚園・小学校受験合格バイブル

「成城学園⑵」 第六章無宗教系附属編(44)

 

      成城学園の育ち
 

制服がなく、無宗教の男女共学である成城学園は、通常であれば公立のような校風であってもおかしくありません。ところが学内雰囲気は他の附属と比較しても個性豊かであり、独特の空気を持った校風です。


のんびりとした苦労知らずの生徒とおおらかな教員が醸し出す友達のような関係…卒業後も教員に対してチャン付けで呼ぶ成城の伝統は他者から見たら奇異なものに見えるかもしれませんが、学園内でしばらく過ごしたらそれも自然に思えてくる世界です。


附属の校風は全て人的環境から作り出されるものとすれば、その成城ワールドを生み出しているのはやはり保護者達の層なのです。組織に勤務している保護者が極端に少なく、中小企業の何代目かのオーナー、飲食業、芸術家、学者、芸能人(著名な方の子女がクラスに平均して二名)、土地資産等管理業…戦後の成城学園の校風はこのような保護者達の応援で運営されてきました。


卒業生の子女や兄弟関係の高い割合は「成城学園の血の濃さ」の象徴です。最近三年保育受験に変更された幼稚園生の殆どが成城ファミリーの子女か、その紹介で受験した家庭の比率が高いのは、私がこの仕事に就いた三十年前から変化がありません。


当時、成城教室があり、そこに勤務していたので私の秘かな楽しみは、無縁の家庭を合格に導くことでした。現在も当会の会員は私立・国立附属幼・小の出身者は10%もいませんが、高い合格率を誇るのはその頃からの伝統です。


初等科も中学の偏差値が高い人気の女子はともかく、男子は近年競争率が低下していて、実質競争率も二倍程度に定着しているので、定員確保のためか、出身者や在籍家庭の紹介者比率が高めなのは否定できません。


「縁故校」なるものはほとんど存在しないのが現実の中で、「縁故傾向が高いと言ってもいいか…」と私も認めてしまう成城学園ですが、私はこれこそが成城学園の個性と魅力の基だと思っています。


入学(園)前から知り合いの多い学園は、保護者にとってもストレス無き世界のようで学校や園を通じて学友との家族ぐるみのお付き合いも深まるばかり、「学校と保護者は距離を置くべし」などと考える者にとっては近寄ってはいけない世界です。昭和五十年まで幼稚舎のように担任六年間持ち上がり制(現在は三年間)の歴史を持つ成城学園は正に「濃い学歴」の象徴のような附属なのです。

 



      麹町慶進会  塾長 島村 美輝         

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