連載 幼稚園・小学校受験合格バイブル
「日本女子大豊明⑷」 第六章無宗教系附属編(32)
人気低迷から復活傾向の豊明幼稚園
ちょっと残念なデータですが、豊明小学校の合格者の辞退者数が多めの傾向が続いています。年にもよりますが、二十名を超える事も珍しくありません。(近年他の有名小学校でも同様ですが)
選抜を子供優先にすればするほど辞退者が多くなるのは後述の成蹊小と同じで、優秀な子供はどの小学校でも選ばれやすく、小学校受験の併願が普通である事の証しです。
併願合格している家庭が豊明を辞退する理由としては、お嬢様育ちを望む父親に多いミッション校優先感や、附属中高が読売ランド(多摩区西生田)にあり、遠距離通学の不安感などがあげられます。
高学歴者に人気の高い国立大附属が多い文京区という立地のせいか、お茶ノ水女子大附属や学芸大附属竹早と保護者層が近く、女子校の中でも豊明は家柄の良い家庭で育ち高学歴の母親の割合の高さが特徴でした。
生徒達も高い知能を持ったポジティブシンキングな性格の子供が目立ち、質の高い実践教育を可能としています。幼稚園からの無宗教系女子一貫校は少数ですから貴重な存在です。教育の中身を知れば人気低迷などあり得ない事なのは理解出来る筈です。
幸いなことに、幼稚園受験では白百合に並ぶほどの人気復活傾向のようです。特に当会は高学歴のご家庭が多めのせいか白百合との併願者が多く、無宗教ならではの気楽さと、私立幼小経験の無いご両親、特に父親にとっては馴染みやすさがあり、面接で自分らしさが発揮しやすい為か面接後の好印象の高さが目立ちます。
近年の受験家庭の特徴である、医師家庭や法人勤務の共働き家庭の層の人気が向上している理由は、学童保育実施などの共働き家庭への理解の高さだけでなく、中学受験や大学受験をされる家庭が年々増加傾向にあることも挙げられます。(平成29年度の大学受験では高校卒業生の約半数。今後もっと割合が増えると予想できます)
小学校では平均通学時間が45分であるように、郊外に住むご家庭の多さも目立ち、色々な意味で門戸の広さを感じさせる附属幼小と言えるでしょう。
尚、幼稚園では他の女子校同様、男子も20名程度募集しています。当会でも豊明幼稚園の男子生徒の小学校受験指導を多数行ってきましたが、ミッションの園と違って躾面はけっして褒められませんが、生成りの魅力そのままの行動的な子供達ばかりです。女子を育てる為に必要な存在として、型にはめない育て方をされている事が想像できます。男子が自然体で育ち、無宗教で保護者の層も良い条件を満たす場は限られていますから、小学校受験生の通う幼稚園としてお勧めします。
平成30年度私立附属幼稚園・小学校受験を終了して…part3 日本女子大豊明幼稚園篇①
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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