私はカウンセリングの機会が多く、夫婦の「組み合わせの妙」を毎回感じます。
多弁と寡黙
ポジティブとネガティブ
外交的と内向的etc.
実に様々ですが、同じタイプが夫婦となっていることは滅多になく、パートナーというのは本能的に自分の足りない部分を補える相手を選択していることをつくづく感じます。
生涯添い遂げる可能性のある夫婦ですから、結婚までに相当な探り合いの上に結論を出しているのであろうと思うのですが、実際はどうなのでしょうね…
よく見かける、多弁な夫(妻)に寡黙な妻(夫)の場合、ご家庭で片方だけが一方的に話すことが多いせいか、パートナーの本音を知らないでカウンセリングに来られるケースがよくあります。
話している方の横で聞いているパートナーの表情を拝見していると、その微妙な表情の変化で「これは初耳だったな…」とか「同調しているように見せているけれど、本音は違うな…」とか「また、そんなこと言って実行しないくせに…」などの思いが必ず表情に表れます。
私のすべきことは、パートナーに今の考えや意見に対してどのように思うかを確認する事です。それでも本音を話さない方は、こちらから本音を聞き出すための質問をします。この作業は受験の面談でも同様のことがなされているので、夫婦にとってシュミレーションにもなります。
その考えに賛同しているのか?その志望園(校)で本当に良いのか?etc.
夫婦が本音で語り合わないと進むべき道も、攻め込むためのキーワードも見えてこないのです。私が見えなければ、考査の面接や願書の文章上でも当然見えないでしょう。
私は夫婦間で、両者が本音で話し合うための仲介者となります。家庭で一方通行であったものが、徐々に対話へと変化していきます。また、仲介者であると同時に、両者が話したことの証人になります。気分次第の発言では困りますから必要な事です。
時間が経つとどうしてもぶれたり、別の考えが生まれてくることもあるので、次の機会に理由を問いただして、それが筋が通ったものであるかの判断をします。
知識が深くなり掘り下げが深くなると、異なる考え方も生まれてきますから悪いことではありません。
そうやって、徐々に夫婦のステージを上げていくのです。決して私が刷り込むのではありません。私は両親それぞれが持っている経験や知識を基にご自身のしっかりした考えを構築していくのです。
折角良いものをお持ちなのに、未経験が理由となって迷っている人はけっこう多いものです。私はただの仲介者に過ぎず、「組み合わせの妙」の基となっている性格面に影響する事はありませんが、夫婦の歩みに幾度かある大きな課題の一つである、「子育てや受験の経験」が「財産となる経験」となるように、これからもお手伝いしていこうと思います。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
〒102-0084 東京都千代田区二番町9-2日興ロイヤルパレスB1