一生懸命記入した願書なのに、質問事項がうかばない願書って意外に多いものです。それでも質問をしないわけにはいかないのです。
だから教師は定番の返答しやすい質問を用意して、緊張させないように笑顔で意味のない対話をします。終了後、思いを胸にしまって、次の方を待つのです。
質問内容が思い浮かばない願書、書き手の姿が見えない願書が教師を悩ませるのです。その例を挙げてみましょう。
・盛り込みすぎの文章で読む気を無くさせる願書
けっこう多いですね。自分勝手な願書の代表です。段落も多すぎて、伝えたいこと満載のくせにどれもたいして印象に残らない。
・子供をアピールする内容ばかり書いている。
これも多い例です。子供の様子を聞かれて、ここぞとばかりにエピソードや「………」 の親子の会話などを引用して我が子の成長が順調であるとアピールしたいのでしょうが、親の目の届く所での評価は、社会での育ちの評価につながらないのです。他者との行動面で評価するところ、評価できないところを客観的に冷静な目で分析したことを書いて、初めて興味を持たれます。エピソードなどは言葉で語ればよいことです。
・保護者の育ちや人物像を理解可能な材料が全く書き込まれていない。
子供の事や抽象的な志願理由ばかり書いてある願書に多いのですが、相手はその家の人間の素性や人物像、職業内容と現状etc.を本音で聞きたいのです。
差別につながるので願書に記入欄を明確に設けていないので、記入しない人が多いのですが、その家を理解してもらうためには絶対必要です。記入場所の工夫は必要ですが…
・何故多くの附属の中でこの学校を志望校の一つにしたか?自分の言葉で語れていない。
その学校を卒業したわけではないから無理もありませんが(卒業生でもきちっと語れていない例は多い)その附属の系列である中学や大学に行かせたい理由を語っても志望理由になりません。その幼稚園や、小学校の人的環境やその他の魅力を記入者が語れて初めて、よき理解者と判断され質問も生み出されるのです。
麹町慶進会 塾長 島村 美輝
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