オーストラリアの手厚い生活保護 | オーストラリア子連れ冒険記

オーストラリア子連れ冒険記

シングルマザーになり損ねた脳腫瘍を患った日本人ママが、子ども二人を連れてのオーストラリア珍道中冒険譚。

娘の小学校のお友達のママに

「私、小学校の近くのコミュニティー

センターで、毎週英語を教えてて

日本人のママもたくさん

来ているからおいで〜」と

誘われて、英語学校のお休みの日に

ちょこっと訪ねてみました。

 

そこには数名の日本人女性と

ヨーロッパからの移民っぽい

おばあさん達が集まっていました。

そこにいた日本人の方々は

オーストラリア人の旦那様と

ミックスのお子様がおられる方や

日本人の旦那様がこちらで働いておられて

お子様が現地校に通っておられる方など

ほとんどローカルな感じの方々でした。

英語学校でアカデミックな英語は

習っていましたが、ここで習う英語は

日常生活で使う情報が満載でした。

「風邪引いたら、このブランドの

このお薬を買うのよ」

「喉の痛みにはユーカリオイルよ」

おばあさんが

「私足の裏に何か出来てる」というと

「それならこんな貼り薬を買って」と

丁寧にブランドや商品名を書いてくれたり

本当に移民の人に役立つローカル情報を

英語で教えてくれていました。

さすが2人の娘を持つママさん先生です!

しかしながら、生徒さんは私なんかより

ずっと英語が上手くて、英語の学習と

言うよりも、日常のローカル情報を

教えてもらいに来ている人が多かったです。

お役立ち情報満載で、良い人達がたくさんで

是が非でも通いたかったのですが、

如何せん、英語超初心者の私には

ハードルが高かったのと、学校が月~金で

平日のその教室に通えなかったので

その1回だけで終わってしまいました。

(たったの1回のレッスンとは思えない

ものすごい量の情報を得たのですが...)

 

そこで知り合った日本人ママさん達とは

20年近くたった今でも ずっと

仲良くさせて頂いている位

皆さん、本当に良い方ばかりでした。

このママさん先生、とても親切で

シングルペアレントで必死の私を

気にかけてくれていました。

 

日本人ママさん達も、そのママ先生と

個人的にも仲良くしておられました。

でも、実は、その親切なOZママさん

とても心の優しい、反面、とても弱い方

だったそうでした。

 

ある頃から、彼女でなく旦那様が

子供達のお迎えに来られるようになり、

お誕生日会もいつも旦那様が連れて来られる

ようになっていました。後で聞くと、

旦那様が失業したのをキッカケに

アルコールやドラッグに溺れてしまい

それに呆れた旦那様は、小学校で

知り合ったバツイチママと新しい関係を

始めてしまい、子供達もそんな

不安定な母親を見限ってしまったそうで

精神疾患認定の彼女は、政府の生活保護で

暮らしているということでした。

 

日本人ママさん達生徒は、その後も

自暴自棄でひとりぽっちになった

彼女をずっとお世話していたそうです。

政府は、彼女にドールという生活保護を

各週与え、住む所も与えてくれていた

そうです。(ドールが入るとすぐ

タバコやお酒を買ってしまう と

日本人ママ達も困っておられました)

 

このDole(ドール)「Fortnight(2週間)で

$500(3万5000円位)」もらえます。

1ヶ月だと15万円位もらえる計算です。

子供のいる家庭は、もっと貰えるので

旦那様もドールを貰って、子供と楽しく

遊び暮しながら普通に暮らす事を選ぶ

家庭も、当時はたくさん見かけました。

住む場所は もちろん政府が決めた場所に

政府の都合で移動させられるのですが、

その度に、日本人ママさん達は、

彼女の引越しを手伝ったり、

お仕事や家事の合間に、彼女に手料理を

運んだりと、彼女が最近亡くなるまで

お世話してあげてたんだそうです。

自分が生き延びるのに精一杯だった私は

そんな大変な事になってるとは露知らず。。。

 

多忙な日々の中、たまに日本人ママ達から

”旦那様や娘2人に見捨てられ、

生きる気力を失ってアルコールや

ドラッグで呆けている彼女の

お引越しを手伝った”と聞く度に、

アル中やドラッグ中毒になっても

オーストラリア市民(永住権)なら

こんなにも手厚い保護を受けられる事が

羨ましく、能天気にも、

「早く永住権を取りたい〜」と

強く思っていたのでした。。。

 

(近々のニュースでは、ドールを貰って

引きこもる若者も多い事が問題となり

就職活動を本気でしないと、ドールを

2週間停止にするという計画もあるそうです。

国民にとって良い安心な手厚い保護政策も

逆手にとって楽をする悪い人も出て来て

悩ましい所ですね...)