宮緒葵
プラチナ文庫
梨とりこ
⭐️⭐️⭐️⭐️
若手人気俳優 × かつての幼馴染の付き人
濃厚ヤンデレ
芸能界
ドーベルマン級ワンコ攻
今をときめく人気俳優になった
かつての幼馴染の達幸(攻)が、
『犬になりたい』と縋り付くのは
付き人である明良(受)だけ。
口を開けば
『あーちゃんが狙われる。僕以外のオスは
ぜいぶあーちゃんの飼い犬になりたがっている。』
と威嚇して自らの匂いをマーキングするかの如く
精●を明良の中に擦り込み続ける。
そんなギリギリの状態の達幸に
天才演出家・赤座の舞台の主演が決まった。
益々、達幸の独占欲と執着は増し
明良の目にも達幸の異常は強くなっていって…
私が出会った攻主役の中で
ぶっちぎりトップのヤンデレ攻ですね。
(今までは【女王蜂】かな)
前作と比べても達幸の病気は加速してます。
何と言っても作品の冒頭の達幸の思い出シーンに
目眩を起こしそうです。
次に明良の過去を思い出す語りの中でさらっと
『そう、ちょうど一年前のこの時期にも雪が降っていた。格子の嵌められた二重硝子の向こうで音もなく降り積もる雪を、明良は横たわったまま、
飽きずに眺め続けていたものだ。…鎖でベッドに拘束されていたのでは、いくら娯楽の道具がたっぷり用意されていようとそれくらいしか出来なかったから。』
あれっ、いつの間にそんな事があったの。
思わず過去歴調べてしまったんだけど
『渇仰』の間に続編はないので
こんなすんごい展開がさらっと流れで終了してるのが残念でらなりませんが、
それを超える達幸の異常性って何なの〜‼︎
過去の監禁を経て
自分を信頼して解放し、側で共に働く事に同意したわけではない達幸君は
今日も今日とて、元気な男が集まる撮影の現場に明良が同行するのを爆発寸前の暗い焔を宿す目でやり過ごしている。
今回は長丁場の舞台なので
顔見せから稽古、仕上がりまで
同じオス(達幸語録)に囲まれて
明良に首輪をはめて欲しくて襲いかかってくる
どう猛なオスの危険が高いからと、
今まで以上に達幸の精神は切れっぱなしです。
稽古の間は、お尻に入れた自らの●液を
胎内に入れたまま立ち会うように明良に要求、
『明日だって明後日だって稽古は続くんだから.
いつもよりたくさん明良と一つになって、たくさん俺の精液おなかで飲んでもらって、俺の匂い、つけておかなきゃ…奪われちゃう…俺以外の雄に、』
達幸の究極の求める幸福は
明良と2人だけの世界に閉じこもる事
どんなに恵まれた体躯と演技の才能があっても
明良だけを求める達幸の幸福と
何としても達幸の才能を埋もれさせたくない。
この世界が失うことのない稀有な存在として守りたい明良の間では、【幸福論】は平行線のまま
しかし、何とか明良の願いの元
ギリギリのラインで耐えていた達幸の自制心が
この舞台の最中、部員や演出家の赤座と関係で
悪化の一途を辿る。
そんな中、明良が出す2人の幸福の形も
この舞台のストーリーがヒントになる。
それにしても行くとこまで行っちゃった達幸の
異常性癖、簡単な答えでは達幸も読者も納得しない幕切れだろうし、どんな解決策なのか‼︎っと
思ったらまさかの
ネタバレなので詳しくは…
ちょこっと血が、といったお為ごかしじゃなく
全治半月なので結構マジなのだろう。
BLファンタジーらしく
がっつりその完成形は後日の事として
今作では描かれていませんが
究極の愛の形として
明良が達幸を鎮め
安らいでもらうための
究極の贈り物。
現実では犯罪です 笑
今回もかなりシリアスな明良の鬱々とした独白メインの構成なのに
宮緒マジックであまり深刻さが残りません。
この作品を吉原先生なんかが描いたら
もっとジュネジュネした陰鬱な作品に
なってただろうな
それはそれでドロッとしてて読んでみたいかな。
それに今作の表紙のレイアウト素敵!
【匣男】思い出した。
すごく綺麗な絵
繊細な梨先生のイラストにぴったり
レジには持って行きづらいけどね。