アンブシュアの役割について考えよう 

 

こんにちは、クラリネット&ボディシンキングコーチの渋谷啓子です。

 

アンブシュアとは、管楽器を演奏するときの口の形のこと。

 

「〇㎝の位置に歯をあてる」とか「下あごを伸ばす」とか、形についてはたくさん説明がありますが、アンブシュアにはどんな役割があるのか、を説明しているものは少ないようです。

 

そのため、アンブシュアに大切なのはきれいな形、だと思ってしまいがち。

 

でも、形よりも演奏がうまくいくことの方が大切ですよね。


アンブシュアの役割や機能について考えることは、様々なお悩みにも役に立つと思うので、この記事ではわたしの考えをシェアしてみます。

 

 

わたしはクラリネットのアンブシュアには、大きく3つの役割があると考えています。

 

1.「楽器本体を安定させること」

 

アンブシュアが安定することで、楽器本体も安定します。

 

楽器本体がぐらついてしまうと、息もスムーズに流れないし、指や舌も動かしにくい。

 

上下の歯でマウスピースを挟み、右腕と連携しながら楽器を安定させることが大切です。

 

多くの人が上の歯はマウスピースに直接触れるので意識しやすいですが、歯は片方だけでは役割を果たすことができません。

 

唇の下には、下の歯もあって両方で挟んでいます。

 

 

そして、右腕で楽器本体を口の中に入れ続けることで、マウスピースと歯がしっかり密着します。

 

誤解されがちですが、クラリネットは右手の親指に楽器をのせる、のではないのです。

 

右腕で楽器を口の中に入れて、上下の歯と連携して楽器を支えるから楽器が安定します。

 

ですからアンブシュアを考えるときは、口だけでなく右腕のことも含めて意識しましょう。

 

タンギングしても指が忙しくても、アンブシュアが安定し続けて、楽器本体が安定し続けることはとても重要です。

 

2.「リードの振動をコントロールすること」

 

クラリネットはリードを振動させて音を出します。

 

その振動をコントロールするものアンブシュアの役割の1つ。

 

固定されるリガチュアーよりも繊細に微細なコントロールをして、音色や音程などの変化に対応しています。

 

唇がリードに触れる面積が多くなってしまうと、リードの振動を妨げてしまいます。

 

だから、唇を含めた下あご近辺を伸ばして薄くする必要があるのです。

 

下あごについては、こちらの過去記事もご参考にどうぞ↓

 

美しいアンブシュアで楽しい音楽生活! 



3「吐く息を漏らさずリードにあてること」


マウスピースをくわえた後、口をしっかり閉じる必要があります。

 

唇を横に引き過ぎて、マウスピースの両端から息が漏れている人を時々見かけます。

 

それだと、リードの振動の効率が悪くなり、雑音が混じったり高音が出にくかったりするので、息を漏らさないことも大切です。



 いかがでしたか?

 

よくわからないまま、言われるがままにアンブシュアの形を覚えた、という人も多いかと思います。


わたしもそうでした。


だからアンブシュアにトラブルを抱えた時に、とても苦労しました。

 

見た目よりもその役割をきちんと果たしていることが大切で、それができていれば自ずと見た目もキレイになっていくものだと思います。


また、その力の強さ、コントロール度合いは人によっても場面によっても数限りなくあるもの。


強すぎても弱すぎても良くないので、アンブシュアの探求に終わりはないのかもしれません。


加減が分からない時は信頼できる人に相談したり、レッスンを受けることがオススメです。


この投稿が少しでもお役に立てれば幸いです。


山形市はもちろん、天童、寒河江、高畠、新庄、鶴岡、などからもレッスンに来て下さっています。

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