物理的に考えるピアノの弾き方シリーズ


先日の記事で、手に上半身の体重に乗せるところまで話しました。

今日は、その後、指先にその体重を移す話。


上半身を楽にして、すとんと腕を鍵盤に上に落としたら、手首のあたりに重さを感じていると思います。


腕の重さで鍵盤が沈んでいると思います。


今度はその重さを、その重量のまま5本の指先に、5当分して移します。

結構、重いと思う。

この時、指先に乗っかった重さで鍵盤は沈んでいますか?


この時、なぜか、鍵盤が浮いちゃう人いるんですが、それはさっき手首に乗っかっていた重さ、どこかに行っちゃってる状態。特に4とか5の指は注意。

多分、肩とか腕とか手のひらとかに力が入っちゃってるんじゃないでしょうか?


腕の重さを指で支えるのは結構重いと思うので、逃げないで、手のひらの内側の筋肉で支えます。

この時、重さで、指の関節が凹んだり、そり返ったりしないようにします。


関節が弱い子が多いので、どうしても指が凹んじゃう人、結構多いです。

そういう人は手のひらの内側の筋肉を鍛えるしかないかなと思うのですが、指の角度によって、凹みにくいところあると思うので、その角度を探ります。

「力」で指の形を作ろうとしないように注意して。


鍵盤に重さを乗せるところまでできるけど、指に乗せる感じが分からない人は、はかりを使ってみるといいです。


まず、腕を脱力して手をはかりに乗せて、重さを計ります。


※視覚的に理解しやすいように、私はデジタルじゃなくて、針のついたはかりを使っています。

(が、これが、最近はなかなか売ってないんだよねー。)


乗せる時の注意。

はかりを乗せたい腕の正面に、乗せやすい高さに置くこと。脇が開かないように、腕をだらんと下ろして、肘から前に真っ直ぐ出した状態で、はかりに乗せること。


だらんと、手のひら全部乗せた重さが何グラムか確認したら、その重さが減らないように(もしくは力で押して増えないように)して、指を立てて、5本指に重さを移します。

結構重くて、指先に圧力を感じると思うので、その感覚を覚えておきます。

そしたら、今度は1本指に全部移します。

最初は3の指とかが乗せやすいかな。

それができたら、はかりの針がブレないように、他の指に移していきます。

そうすると、指の強さが違うので、指によって同じ重さなのに小指(5の指)は重く感じたり、中指(3の指)は軽く感じたりすると思うので、はかりを見ながら重さと各指の感覚のギャップを埋めていきます。


腕の重さを覚えたら、その感覚で鍵盤でもう一度やってみる。


人によって、思ってたより重く感じる人、意外と軽く感じる人いろいろなので、自分で、実際の重さと、感じてる重さの違いを感じて、腕の重さを指に乗せられるようにします。


ただ、常にこの腕の重さ全部を使って弾くと、結構重々しくなってしまうので、それはパッセージによって調整します。

速いパッセージのところはもう少し軽くして、長い伸ばす音、f(フォルテ)で弾きたいところは、腕の重さ➕上半身の重さも加えたり…


また長くなってしまったので、重さの調整の仕方は次回。とりあえず、今日はここまで。

腕の重さを指に乗せるところまで。


つづく。


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