早期決着は本当に可能なのか。市場が織り切れていない現実
関連記事『市場が政治を信用しなくなった日~原油100ドルとホルムズ海峡リスク~』NYダウ続落、289ドル安 中東緊迫や原油高の長期化を懸念 - 日本経済新聞【NQNニューヨーク=横内理恵】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し…ameblo.jp『一番嫌な下げ方が始まっている』関連記事『悪材料は消えていないのに、なぜ株は上がるのか』日経平均 55,239円 (+1539円)東証プライム 上昇 1,499(94%)全面高 下落 76…ameblo.jp日経平均 51,515.49(-1857.04)TOPIX 3,486.44(-122.96)グロース250 705.16(-39.70)日経恐怖指数 50.44(+15.37)プライム市場の95%が下落売買代金7兆8003億円と本日も売買代金は膨らんでいない。最近の相場を見ていてどうしても腑に落ちない事があるそれは今回の中東情勢はそんなに簡単に終わるのかということだ市場はこれまで何度も「早期決着」や「撤退の可能性」に反応してきた実際、トランプ大統領はここにきて「近いうちに作戦を離れる」とも述べている。トランプ氏「近い将来撤退する」イランでの軍事作戦めぐり | TBS NEWS DIGアメリカのトランプ大統領は、イランでの軍事作戦をめぐり「まだ準備ができていないが、我々は近い将来に撤退する」と述べました。トランプ大統領「まだ準備はできていないが、我々は近い将来に撤退することになる…newsdig.tbs.co.jp一方でその前後にはイランに対してホルムズ海峡を48時間以内に再開しなければエネルギー施設を攻撃する可能性を示唆しており、発言はかなり揺れているhttps://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-22/TC9XAET96OSH00こういうメッセージのぶれは市場にとって一番扱いづらい強気なのか火消しなのか撤退したいのか本気でやるのか全部が混ざって見えるからだただ、今の状況を整理すると私はやはり早期決着はかなり難しいと思っている理由は単純で、今回の問題は空爆をやめれば終わるような話ではないからだまず一つはホルムズ海峡だここは単なる地図上の海峡ではない世界のエネルギー輸送の大動脈であり、しかも今回のような局面では軍事ではなく「物流」として効いてくるトランプ氏が「48時間」を区切ったのも結局はこの海峡を開けたいからだろう原油高はインフレを悪化させ金利を押し上げ、株価にも打撃を与えるインフレ抑制を掲げてきた政権にとって原油急騰は最もコントロールしたい変数だ実際、ベッセント財務長官はイラン産原油の制裁緩和にまで踏み込み価格安定を優先する姿勢を見せている米政府、海上停滞中のイラン産原油売却を容認 30日間の制裁免除措置トランプ米政権は20日、現在海上で停滞しているイラン産原油の売却を容認した。米財務省が30日間の制裁免除措置を発令した。ベセント財務長官は、米国とイスラエルによる対イラン戦争の開始以来高まっているエネルギー供給の圧力を緩和する措置だとしている。jp.reuters.comつまり、今のアメリカは戦争を勝ち切ること以上に価格を制御したいようにも見えるただしそこが今回の誤算でもある価格を抑えたい。市場も守りたい。でも相手は引かない。同盟国も思ったほど動かない。アメリカのホルムズ支援要請に対し主要同盟国はかなり消極的で、各国とも海峡再開のための軍事関与には慎重だ米同盟国、ホルムズ海峡船舶護衛に慎重 トランプ氏は不満表明トランプ米大統領がエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を通過する船舶護衛への協力を求めたのに対し、複数の同盟国は16日、艦船派遣に慎重な姿勢を示した。jp.reuters.comこれではアメリカとイスラエルだけで短期決着は現実的ではないさらにイラン側はもし米国がエネルギー施設攻撃を実行すればホルムズ海峡を完全封鎖し、インフラも標的にすると警告している「ホルムズ海峡『完全封鎖』」イランが警告 トランプ大統領の“発電所攻撃”投稿をけん制 米国務省は世界中のアメリカ人に「注意喚起」(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュースアメリカのトランプ大統領が、ホルムズ海峡を開放しなければイランの発電所への攻撃の可能性を示唆するなか、イラン軍は、攻撃を受ければ「ホルムズ海峡を完全に封鎖する」などと警告しました。 トランプ大統領news.yahoo.co.jpこの構図では一撃で終わる戦争にはならないむしろ見えにくく長引く戦争になりやすいさらに厄介なのはイスラエル側にも早く止める理由があまり見えないことだ。イスラエル外相、イランとの戦い「すでに勝利」、目標達成まで作戦継続イスラエルのサール外相は17日、イランとの戦争に事実上勝利したと言明した。ただ、目的が達成されるまで作戦は継続されるとし、戦闘の終結時期については明確にしなかった。jp.reuters.comイスラエル外相は「勝ったが、目標はまだ未達だ」と述べており、終わりのラインが曖昧なままだつまりアメリカは早く畳みたい。しかしイスラエルはまだ終わったとは考えていない。この温度差には理由があるイスラエルにとって今回の問題は単なる地政学リスクではない。国家の安全保障そのものの問題だイランの核開発やミサイル能力、そして周辺の武装勢力の存在は長年にわたって現実的な脅威とされてきた。そのため中途半端に終わらせること自体がリスクになるむしろ「やるなら今」という判断になりやすい一方でイスラエル単独で長期戦を続けるには軍事的にも外交的にも限界があるつまりアメリカの関与が前提しかしアメリカはインフレや原油価格を強く意識しておりできるだけ早く収束させたい。この「脅威を消したい側」と「コストを抑えたい側」のズレが今回の難しさでもあるこのズレがある限りトランプ氏がいくら「近いうちに離れる」と言っても実務としての早期決着は難しいしかも、仮にアメリカが直接関与を少し弱めたとしてもそれで終わるわけではない。むしろ一番嫌なのは中途半端な撤退だ。空爆を減らす。しかしホルムズの不安は残るドローンや機雷、タンカー攻撃のリスクも残る。海上保険料も物流の不安も続く。原油やLNGのリスクプレミアムだけが高止まりする。つまりコストだけが残る市場にとってこれが一番扱いにくい状態だ全面戦争でもない。完全停戦でもない。ただ不確実性だけが残るだから私は今回の48時間についても単なるブラフよりは実際に何かをやる前提で世論を慣らしにきているように見えるもちろん、まだ断定はできない訂正本日夜NY市場が開くまでにトランプがTACOりましたイラン攻撃を5日間延期。市場が開いていている時は弱気になりますね前の記事で書いたようにリバ→下げの流れは変わらないと思いますがただ少なくとも「言ったけれど何もできない」というよりは「やるつもりはあるが、やった後の出口が見えていない」という印象の方が強い今の市場が難しいのはまさにそこだと思う。楽観も悲観も中途半端に残っている原油は高い。金利も高い。VIXも上がっている。でもまだ相場は完全な絶望には至っていないだからこそ下げ止まりそうに見えてまた崩れる。戻りそうに見えて続かない。今回の中東情勢を見ていると相場が本当に恐れているのは「戦争そのもの」ではなくコントロールされていない戦争なのだと思うそして今のところそのリスクはむしろ高まっているように見える『自己紹介』はじめまして元 社会的不適合者(笑) の 株専業投資家☆kei☆ です。投資歴は約10年いまは株式投資だけで生計をたてています。このブログでは一発逆転の投…ameblo.jp