今夜はサントリーホールで、読売日本交響楽団の定期演奏会。ユライ・ヴァルチュハの指揮で、マーラーの交響曲第6番《悲劇的》を聴いた。
まず印象に残ったのは、弦楽器が実によく鳴っていたことだ。「よく響いていた」というより、「よく鳴っていた」という表現のほうが近い。
特に低域がしっかりしている。そのためフォルテになったとき、単に音量が大きくなるのではなく、オーケストラ全体が下から持ち上がってくる。低弦に十分な厚みがあるからこそ、フォルテがフォルテらしい。マーラーの大編成を聴く醍醐味は、こういうところにあるのだと思う。
今日はホルンが9本並んでいた。この大きなホルン群が中低域に厚みを加え、その上にトランペットが乗る。特にトランペットの音色が美しかった。金管を力任せに鳴らして迫力を作るのではなく、音色を保ちながら十分に鳴っている。このあたりも好ましかった。
残念だったのは第3楽章。ここでは金管全体のバランスが崩れ、いくつかのミスも目立った。それまでの充実した響きが良かっただけに、なおさら気になった。
しかし第4楽章では持ち直した。長大な終楽章を通して再びオーケストラのまとまりが戻り、フィナーレは良い締めくくりとなった。
今日の演奏を振り返って一番残っているのは、やはり低域の充実したオーケストラの音である。
弦がよく鳴り、その上にホルンと金管が積み重なる。だから大きな音が単なる大音量にならない。
フォルテが、フォルテらしい。
今夜のマーラー6番を一言で表すなら、そんな演奏だった。
