7月25日深夜に行われたカナダー日本戦は、1-2で日本が順当に勝利した。初戦をあまり危なげなくものにしたことで、最初の課題は達成したところだろう。ただ、手放しで喜べるかというとそうとは限らないようだ。
今回のなでしこは、大儀見、大野2トップで、オーストラリア戦前半の川澄左SH、宮間右SHのシステムをとった。このシステムは両サイドがクレバーに機能してフランス戦に比べてはるかに成功したといえる。
カナダは正GKのLe Blancがその前に行われたブラジル戦では出ていたものの、この試合で出場していなかった。
代わりのMcLedoはアメリカとの壮行試合に開始早々オウンゴールで1点献上している。守備の不安定は火を見るより明らかだった。
前半、カナダはアメリカ戦のように引いて守ると思いきや、前から動いてきたのが助かった。さすがにカナダにアメリカやフランスの真似ができるわけがない。ボールは日本が支配して、日本の正確なパスまわしにカナダは体力を無駄に消耗してしまい、次第にゴール前に追い詰められていった。
左サイドの鮫島選手の上がりは非常に機能した。サイドをドリブルであがっていくことで、上に起点を移動させることができた。フランス戦では押さえこまれていたが、サイドが機能するかが日本の鍵となってくるだろう。
33分の一点目のシーンは、澤→大野→川澄のINAC連携がやはり功を奏した。川澄選手は冷静にGKの沈む逆の肩の上を通してシュートを決めた。これはなでしこカップ千葉戦での経験が生きていた。
しかしGKも2人並んでたのにもかかわらずいい判断とはいえなかった。控えGKだということに助けられたともいえる。
さらに2点目の宮間選手のゴールは完全にGKの判断ミス。前で二人も居る中に、何を思ったのか自分から突っ込んで行って、かえってDFの邪魔をしていた。
しかしその前にも左サイドの鮫島選手から何本もクロスを打たれており、守備はかなり苦労していたのも事実である。
この1点はカナダのハードマン監督からすれば完全に誤算だっただろう。
後半立ち上がりも完全に日本が支配し、50分、大儀見選手らしいゴール前奪取からシュートを打ったが好ディフェンスに阻まれた。これが決まっていれば完全に息の根は止まっていただろう。
55分の失点シーンは完全な日本のミスである。
日本の左サイドに2人来ているのに鮫島選手1人にまかしてしまい、後ろの川澄選手がSBのフォローを怠って一気にピンチにされた。鮫島選手は前の選手からボールを奪取したがクリアボールを後ろのSBに取られた。
中央はCB2人でケアできていたが、大外の近賀選手は後ろのTancrediを全くノーマークでゴールを許した。こうした速い攻撃への対処はやはり課題である。
1-2になってからは少々ラインを下げてカウンター気味の攻撃を展開した。
64分に大野選手を安藤選手に交代。中盤から前線でのキープを高めて追加点の可能性を消していた。77分の豪快なシュートは決めておきたかった。
澤選手は、1-2になってから下がり目で守備に積極的に貢献した。特に80分、鮫島選手が前線にあがってクロスを打った裏狙いによく対応した。
鮫島選手の上がった裏は宮間選手との間では連携がとれていたが、川澄選手に代わったあとの不十分さが露呈していた。これはサイドを固定して、修正すべきところである。
左サイドから出ていた宮間選手のクロスは、鮫島選手が上がって担うことになったが、相変わらずボールを左ボランチの阪口選手から供給しているので、右の宮間選手へのボールが渡りづらくなった。
岩清水→宮間のようなボール出しを積極的にしないと、阪口選手をつぶせばパスがまわらなくなる危機を防ぐことはできない。
そのあとはボールをまわして日本は逃げ切りに成功した。
欲を言えばそのあとを考えて岩渕選手を出しておきたかったところであるが。
日本は前半のうちに得点したことで後半を戦い抜くことができた。しかし後半、カウンターで得点を取るパターンもつくっておきたいものである。
ともかく初戦をカナダに勝ったことで今後グループリーグを有利に戦えることになったことは間違いない。
エンディングは『明日へのキズナ:HIMEKA』。本名カトリーヌ・セントオンジュというカナダ人のアニソン歌手。2008年全日本アニソングランブリで優勝して念願の日本アニソン歌手に。
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