私メッセージ | 立命館大学ビジネススクール教授 高橋慶治のブログ

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立命館大学ビジネススクール教授、合同会社人間開発研究所代表社員、元臨床心理士、元JOC強化スタッフ(メンタルトレーニング、コーチング)の高橋慶治が、マインドフルネス、メンタルタフネス、ストレスマネジメント、コミュニケーション&人間関係など色々書いています。

アメリカの臨床心理学者トマス・ゴードン博士が開発した、親のためのリーダーシップ訓練講座『親業』(PET)では、相手の行動が原因で、自分が困った影響を受けており、 相手に行動を変えてほしいときに使用します。「対決のわたしメッセージ」という伝え方がある。

 

この方法で、伝えるべきメッセージを組み立てて、気持ちを率直に相手に伝えよう。

 

しかし、怒りを感じ ている時は難しく、必要以上に相手のミスをあげつらっていがちだ。そういうときのセリフは「おまえがミスをした」「あんたが約束を守らなかった」「あなたがやるべきことを やらなかった」と、すべて「あなたメッセージ」になっている。相手の非をあげつらう「 あなたメッセージ」では、反発を買うだけで終わってしまう。 

 

少し視点を変えて、「私メッセージ」に直してみてほしい。「私ははそれでイライラした 」「自分はそれで傷ついた」などと、自分の気持ちを率直に述べ、主語を「私」にして相手に伝えるのである。このほうが相手も素直に受け入れやすくなる。

 

 「対決の私メッセージ」は、相手の行動が原因で、自分が困った影響を受けており、 相手に行動を変えてほしいときに使用する。

 

 「対決の私メッセージ」は次の三部構成で成り立っている。

 

 1.相手の行動内容。(事実のみを、非難がましくなく)。

  「10分遅刻だね」

                     + 

2.自分への具体的な影響

  「会議の開始が10分も遅れてしまって」 

                    +

 3.自分の気持ち。

  「(私は)参加者皆の時間を無駄にして申し訳なかったよ」

 

 <具体例>

 「なぜ、(おまえは)自分勝手に〜するんだ!」 

→「今回の○○の件、指示を守ってくれないと、周にりも迷惑がかかるし、私はとても困る」

 

 「君は人の意見を聞かないね」

 →「私は君に意見を聞いてもらえていなくて、仕事がすすまず、残念だ」

 

 「課長は(あなたは)横暴です!」

 →「そういう言い方をされると、私はとてもついていけないと感じて、モチベーションがなくなってしまう。」

 

 「あなたは全然時間をつくってくれない」

 →「あなたに会えないと(私は)とても淋しい」

 

必ずしも三部構成の公式通りでなくても、主語を「私」にして怒りという「あなたに向かう」二次感情でなく、「自分自身」の一次感情を素直に伝えてみよう。