アメリカの臨床心理学者トマス・ゴードン博士が開発した、親のためのリーダーシップ訓練講座『親業』(PET)では、相手の行動が原因で、自分が困った影響を受けており、 相手に行動を変えてほしいときに使用します。「対決のわたしメッセージ」という伝え方がある。
この方法で、伝えるべきメッセージを組み立てて、気持ちを率直に相手に伝えよう。
しかし、怒りを感じ ている時は難しく、必要以上に相手のミスをあげつらっていがちだ。そういうときのセリフは「おまえがミスをした」「あんたが約束を守らなかった」「あなたがやるべきことを やらなかった」と、すべて「あなたメッセージ」になっている。相手の非をあげつらう「 あなたメッセージ」では、反発を買うだけで終わってしまう。
少し視点を変えて、「私メッセージ」に直してみてほしい。「私ははそれでイライラした 」「自分はそれで傷ついた」などと、自分の気持ちを率直に述べ、主語を「私」にして相手に伝えるのである。このほうが相手も素直に受け入れやすくなる。
「対決の私メッセージ」は、相手の行動が原因で、自分が困った影響を受けており、 相手に行動を変えてほしいときに使用する。
「対決の私メッセージ」は次の三部構成で成り立っている。
1.相手の行動内容。(事実のみを、非難がましくなく)。
「10分遅刻だね」
+
2.自分への具体的な影響
「会議の開始が10分も遅れてしまって」
+
3.自分の気持ち。
「(私は)参加者皆の時間を無駄にして申し訳なかったよ」
<具体例>
「なぜ、(おまえは)自分勝手に〜するんだ!」
→「今回の○○の件、指示を守ってくれないと、周にりも迷惑がかかるし、私はとても困る」
「君は人の意見を聞かないね」
→「私は君に意見を聞いてもらえていなくて、仕事がすすまず、残念だ」
「課長は(あなたは)横暴です!」
→「そういう言い方をされると、私はとてもついていけないと感じて、モチベーションがなくなってしまう。」
「あなたは全然時間をつくってくれない」
→「あなたに会えないと(私は)とても淋しい」
必ずしも三部構成の公式通りでなくても、主語を「私」にして怒りという「あなたに向かう」二次感情でなく、「自分自身」の一次感情を素直に伝えてみよう。